
「教員になりたいけど、働き方が気になる…」そんな風に思っている方は必見!今回は、2023年8月1日に開催された「私立学校の働き方改革セミナー」の内容をギュッと凝縮してお届けします。
聖学院中学校・高等学校とは?
今回お話をしてくださったのは、聖学院中学校・高等学校の総務統括部長(教頭)である日野田昌士先生。
聖学院は、プロテスタント教育に基づいた男子校で、「Only One for Others」という学校の理念を大切にしています。
神から与えられたたまものを世界のために、他者のために貢献するという信念に基づいた教育活動を行っている学校です。
聖学院の3つの教育の柱
聖学院には、3つの教育の柱があります。
1授業:問いから授業を始め、先生は問いのストーリーテラーとして生徒がワクワクするような問いを設定し、生徒がその問いに答えられるようにサポートします。
2グローバル教育:英語はあくまで思考のツールと考え、多様なバックグラウンドを持つ生徒たちが英語を好きになり、他者に関心を持つような教育を展開しています。
3体験学習:中学2年生から高校2年生までの4年間、毎年宿泊行事があります。先生たちは、なぜこの取り組みを行うのか、生徒たちにどのような力を身につけさせたいのかを毎年ブラッシュアップしながら取り組んでいます。
なぜ部活動改革が必要だったのか?
聖学院では、先生たちがたくさんの仕事を抱える中で、「部活動を先生たちが今まで通り続けることが果たしてできるのか」ということを課題として捉えていました。
教員の仕事は授業、担任、公務文書作成など多岐にわたります。そこに部活動が加わると、仕事の種類が増え、先生たちの負担は増大する一方です。
「先生が足りない!」、「部活動の先生がいない!」、そんな悩みを抱える学校も多いのではないでしょうか?
聖学院では、教員不足を解消するために、以下の2つの改革を行いました。
部活動指導の外注化
「部活動は仕事なのか?」
聖学院では、部活動を仕事と捉え、部活動を一生懸命やりたい先生には他の業務を減らす、やりたくない先生には部活動を強制しないという選択肢を与えました。
そして、生徒の満足度を維持するために、十分な資金を確保し、良質な指導員を確保することに尽力しました。
部活動改革のメリット
この改革によって、以下のようなメリットがありました。
・生徒:幽霊部員がいなくなり、各部活動の活動状況を100%把握できるようになった。
・教員:精神的に楽になり、他の業務に集中できるようになった。
・学校:教員が職員室にいる時間が増え、教員同士のコミュニケーションが活性化した。
部活動改革は働き方改革の一環
部活動改革は、聖学院にとって働き方改革の一環に過ぎません。
聖学院では、教員がキラキラと輝き、生徒がワクワクできる学校づくりを目指しています。
そのためには、部活動だけでなく、学校全体の改革が必要だと考えています。
編集後記
今回のセミナーでは、聖学院の部活動改革の概要や、改革後の学校や先生たちの変化についてお話を伺いました。
私立学校ならではの取り組みや、教員としてのやりがいなど、非常に興味深い内容でした。
教員の働き方改革は、生徒たちの教育にも大きく影響します。
先生たちが笑顔で働ける環境をつくることは、生徒たちがより良い教育を受ける上で非常に重要なことだと感じました。
今回の記事が、教員を目指している方や、学校現場で働いている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。