
教員人材センターには、教員志望の皆さまから日々さまざまな質問が寄せられます。今回は、特に採用選考に関する質問の中から、よくあるものについてお答えします。
目次
- Q: 履歴書の提出書類にゼミの内容や研究テーマについて記載する欄があります。私はゼミに入っていないため、研究をしていません。この場合何を記載すればよろしいのでしょうか?
- Q: 私立学校の筆記試験の難易度はどれくらいですか?また、何を勉強したらよろしいでしょうか?
- Q: 筆記試験に関する質問です。理科に関しては、物理、化学、生物、地学のうち、自分の専門外の1つくらいはできた方がいいでしょうか?
- Q: 私立学校の選考で20分の模擬授業があります。生徒役がいない場合でも、ペアワークやグループワークは取り入れてみた方が良いのでしょうか?
- Q: 公立の教員採用試験の二次試験を受ける傍ら、私立学校を受ける予定です。面接で公立の試験を受けていることを聞かれた時は、どのように答えるのが良いでしょうか?
- Q: 一度不合格となった私立学校に、再度応募する場合、以前の不合格理由から書類選考で落とされてしまうということはありますでしょうか?どうしても働きたい学校があるのです。
- Q: 私立学校の小論文の主なテーマは?
- まとめ
Q: 履歴書の提出書類にゼミの内容や研究テーマについて記載する欄があります。私はゼミに入っていないため、研究をしていません。この場合何を記載すればよろしいのでしょうか?
A: 履歴書には、ゼミの内容や研究テーマを記載する欄があることがあります。教員人材センターの体感では、最近では10人中3人くらいの方がゼミに所属していない、または研究テーマがないという状況のようです。
そのような場合、大学で履修した授業で、特に教員免許の教科に関する分野について書いてみてください。例えば、「〇〇大学〇〇学部〇〇学科にて、〇〇に関する授業を履修しました」といった具体的な内容を記載することで、採用担当者にあなたが教員として必要な知識やスキルを身につけていることをアピールできます。
Q: 私立学校の筆記試験の難易度はどれくらいですか?また、何を勉強したらよろしいでしょうか?
A: 私立学校の筆記試験は、学校によって難易度や出題傾向が異なります。そのため、一概に「このレベルの勉強をすれば大丈夫」とは言い切れません。
しかし、最近採用担当者の方からお話を伺ったところ、多くの学校では大学入試レベル、特に共通テスト(以前のセンター試験)レベルの知識を求めているようです。まずは、ご自身の教科の大学入試問題を解けるように対策をすることをおすすめします。
また、志望する私立学校の過去の合格実績や進学実績も参考にしてみましょう。各学校のホームページには、合格実績や進学実績のページがありますので、そこに記載されている大学のレベルを参考に、過去問に取り組むなどの受験対策を進めていくと良いでしょう。
Q: 筆記試験に関する質問です。理科に関しては、物理、化学、生物、地学のうち、自分の専門外の1つくらいはできた方がいいでしょうか?
A: 自分の専門外の科目もできた方が望ましいですが、できない場合でも採用される可能性は十分にあります。
大切なのは、中学理科の基本的な内容を理解していることです。まずは、中学理科の教科書や参考書を読み込み、基礎知識をしっかりと身につけましょう。その上で、余裕があれば、専門外の科目の学習にも取り組むと良いでしょう。
これは、教員になってからも同じことが言えます。中学理科の知識は、教員として生徒に教える上で必要な基礎知識です。幅広く学習しておくことで、生徒からの質問にも答えられるようになり、授業の幅も広がります。
Q: 私立学校の選考で20分の模擬授業があります。生徒役がいない場合でも、ペアワークやグループワークは取り入れてみた方が良いのでしょうか?
A: 模擬授業に関する質問も多く寄せられます。生徒役がいない場合でも、ペアワークやグループワークは、必要であればどんどん取り入れた方が良いでしょう。
大切なのは、授業のねらいに合った活動を取り入れることです。ペアワークやグループワークが授業のねらいを達成するために有効であれば、積極的に取り入れましょう。
Q: 公立の教員採用試験の二次試験を受ける傍ら、私立学校を受ける予定です。面接で公立の試験を受けていることを聞かれた時は、どのように答えるのが良いでしょうか?
A: 公立の試験を受けていることを正直に話しても大丈夫です。大切なのは、公立と私立、それぞれを志望する理由を明確にしておくことです。
面接では、「公立の学校を〇〇という理由で志望しています。一方で、貴校の〇〇という点に魅力を感じ、ぜひ教員として働きたいと考えています」のように、それぞれの学校の魅力と、自分が教員としてどのように貢献したいかを具体的に伝えましょう。
Q: 一度不合格となった私立学校に、再度応募する場合、以前の不合格理由から書類選考で落とされてしまうということはありますでしょうか?どうしても働きたい学校があるのです。
A: 一度不合格になったからといって、再度応募することが不利になるということはありません。学校側も、応募者の成長や変化を考慮しています。
しかし、以前の不合格理由が明確な場合は、そこを改善していることが重要です。例えば、筆記試験の成績が足りなかった場合は、再度受験する際は点数が挙がっていた方がいいです。また、面接での受け答えに課題があった場合は、次回はその課題がクリアされているといいでしょう。
また、応募書類に新たな資格や実績などを加えることも有効です。以前の応募時よりも、自己PRできる要素が増えていることを示すことで、採用担当者の印象が変わる可能性があります。
Q: 私立学校の小論文の主なテーマは?
A: 私立学校の小論文では、学校の教育理念や特色、求める教師像などを踏まえた上で、自分の考えや経験を述べるものが一般的です。
実際に過去に出されたテーマとしては、以下のようなものがあります。
「自分の専門性を、英語教員としてどのように生かしたいか」
「女子中高一貫校における、自分が行いたい数学の授業について」
「理科教育において、今求められていることは何か」
これらのテーマはあくまで一例であり、学校によって出題傾向は異なります。応募する学校の求人票に掲載されていることもあります。
また、2022年には高等学校の学習指導要領が改訂されたこともあり、新カリキュラムについて問われることもあるようです。2021年の選考では、「新大学入試に向け、数学教育において重要視すべきこと」というテーマが出題された学校もあります。
そのため、志望する学校の情報を収集するだけでなく、教育改革や時事問題など、教育に関する幅広い知識を身につけておくことが大切です。
まとめ
今回は、教員センターに寄せられたよくある質問の中から、採用選考に関する疑問についてお答えしました。私立の選考は、学校によって選考基準や重視するポイントが異なります。しかし、どの学校でも、教員としての熱意や人間性、そして、子どもたちと真剣に向き合う姿勢が求められることは共通しています。
ぜひ、今回の記事を参考に、教員採用に臨んでください。皆さまの就活が成功することを心より応援しています。
教員採用に関する情報は、教員人材センターのWebサイトで確認できます。ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。