
今回は、教員免許を取得する方法について、高校生・大学生向けに詳しく解説します。将来教員を目指している方は、ぜひ参考にしてください。
1. 教員免許取得に必要な単位
教員免許を取得するためには、教職に関する科目と教科に関する科目の単位を取得する必要があります。必要な単位数は、免許の種類(一種・二種)や校種(小学校・中学校・高校)によって異なります。
一種 | 二種 | |
小学校 | 67 | 45 |
中学校 | 67 | 43 |
高校 | 67 | × |
<教職の主な単位数>
- 教科に関する科目の例(中学校教諭一種免許状(社会)):
- 日本史および外国史・地理学(地誌を含む)
- 法律学、政治学
- 教職に関する科目の例:
- 教職の意義等に関する科目
- 教育の基礎理論に関する科目
- 教育課程および指導法に関する科目
- 生徒指導、教育相談および進路指導等に関する科目
- 総合演習
- 教育実習
2. 教育実習・介護等体験
- 教育実習: 大学3年または4年で行います。実習時期は幼稚園・小学校が4週間、中学校が3週間、高校が2週間程度です。実習校で指導教員のサポートのもと、授業の準備や実施、生徒への指導、学習サポートなどを行います。
- 介護等体験: 小学校、中学校の免許取得の場合に実施します。期間は7日間で、特別支援学校や社会福祉施設で行います。
3. 教育学部と他学部での単位負担の違い
教育学部では、卒業に必要な単位に教職課程がある程度含まれています(すべてではありません)。学びたいことが教育に関することであれば、教育学部の方が効率的です。他学部では、教育学部ほど教職課程の単位が含まれていないため、大学で取得する単位数が増えます。他に学びたいことがあって、免許も取得したい場合は、こちらのパターンになります。
4. 複数の免許取得も可能
近年は中高一貫校(中等教育学校)、義務教育学校もあり、免許の種類が広いと活躍の場が広がります。学部によっては、数学と情報など異なる教科の免許を取得できる場合もあります。
5. まとめ
教員として働くには教員免許が必要です。教員免許の取得には時間と労力がかかるため、可能であれば大学在学中に取得しておくことをおすすめします。入学した大学(学部)や単位の取り方によって取得できる教員免許が異なるため、高校生は進路を考える際に、大学生はできるだけ1年2年の時に単位取得の計画に教職課程を組み込んでおくことが望ましいです。近年地元の学校で働くことを想定した入試制度として、学校推薦の枠で地元の教員を志望している方向けの通称「地域枠」を設けている大学があります。まだ数は多くありませんが、今後広まる可能性があります。
出典:横浜国立大学~学校推薦型選抜(学校教員養成課程)https://www.edu.ynu.ac.jp/exam/ao/