
教員の働き方の一つとして、非常勤講師という選択肢があります。今回は、非常勤講師の特徴とメリットを、さまざまなケースに分けてご紹介します。ご自身の状況に合わせて、働き方を考える際の参考にしていただければ幸いです。
1. 非常勤講師の特徴
非常勤講師は、基本的に授業のみを担当します。勤務日数や仕事の負担を自分でコントロールできるため、さまざまなライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
2. 新卒の方にとってのメリット
新卒の方にとって、非常勤講師という働き方には以下のようなメリットがあります。
- まずは授業力を磨きたいという方
- 新卒は授業準備に多くの時間を要します。非常勤講師であれば、授業に集中して取り組み、授業力の向上に専念できます。専任や常勤講師は授業以外にも担任業務や部活動指導など、多くの校務を担当する必要があります。非常勤講師はこれらの業務を担当しないため、授業に集中できる環境と言えます。
- 自分がどの学校に合うか、時間をかけて考えたい方
- 就職活動時には分からない現場の様子を、実際に働くことで知れます。場合によっては、複数の学校で非常勤講師を掛け持ちすることも可能なため、さまざまな学校を比較検討できます。
- 次の年の教員採用試験を狙っている方
- 教員採用試験の対策にはどうしても時間が必要です。非常勤講師として働きながら、教採の勉強時間を確保できます。実際の学校現場を知ることは、模擬授業や面接での引き出しを増やすことにつながります。
- 私立学校の中には、経験を重視する学校もあり、非常勤講師としての経験が選考でプラスに働く場合があります。
3. 他のことに時間を使いたい方のメリット
以下のような方々にとっても、非常勤講師は有効な選択肢となります。
- 大学院生 研究活動と両立しながら、教員としての経験を積めます。
- 産休・育休などで時短勤務を希望する方
- 子どもの送り迎えなど、フルタイムで働くことが難しい状況でも、非常勤講師であれば時間や日数を調整して働けます。
- 他の仕事や活動をしている方 自分の活動と両立しながら、教員として働けます。
週1日からでも働けるため、自分の時間と相談して無理なく働けます。
4. 学校定年退職者のメリット
学校を定年退職された方にとっても、非常勤講師は以下のようなメリットがあります。
- 今まで授業以外にもさまざまな仕事をしてきた方は、定年後は、これまで培ってきた経験を生かし、自分が本当にやりたい仕事(主に授業)に専念できます。
- 定年後は自分のやりたいことに時間を使いたいという方は、非常勤講師として働くことで、時間にゆとりを持ちながら、教えることの喜びを再び味わえます。
公立学校の場合、定年前の学校に再任用されるケースもあります。 他の学校で働きたいという場合は、私立学校での非常勤講師もおすすめです。再任用の場合、授業以外の仕事も担当する場合がありますが、私立学校の非常勤講師であれば授業に専念できます。
5. まとめ
もちろん、非常勤講師にはデメリットと言える部分もあります(例えば、1年契約であることなど)。 雇用が不安定であるという点は考慮する必要があります。しかし、私立学校では無期雇用の非常勤講師として働ける学校も出てきています。 雇用形態も多様化してきています。
ご自身のやりたいこと、現在の状況を踏まえて、非常勤講師という働き方を選択肢の一つとして考えてみるのも良いでしょう。