
今回は、東京都市大学付属中学校・高等学校の副校長兼教頭の草間先生に、私立学校の教員採用についてお話を伺いました。私立学校の選考の流れから、模擬授業で見られているポイント、採用担当者がよく聞く質問まで、詳しく解説します。
東京都市大学付属中学校・高等学校の教員採用の流れ
まず、東京都市大学付属中学校・高等学校の教員採用の流れについて伺いました。
- 書類選考: エントリーシート(履歴書等)による書類審査
- 筆記試験: 教科の専門知識や一般教養を問う筆記試験
- 模擬授業: 実際の授業を想定した模擬授業
- 最終面接: 法人役員や学校長などが参加する最終面接
草間先生が直接関わっているのは、3次選考の模擬授業です。模擬授業には、校長・副校長・教頭、教科の専門性が近い主管教諭、法人担当者など5〜6名が参加します。
模擬授業で見られていること
模擬授業は15分程度で、50分の授業の冒頭部分を想定して行われます。その後、15分程度の質疑応答があります。草間先生は、模擬授業で以下の点を見ていると言います。
- 双方向性のある授業:一方的な講義スタイルではなく、生徒役を積極的に授業に引き込む工夫が求められます。生徒役への指名や適切な質問が双方向性の鍵となります。
- 生徒への柔軟な対応:生徒役が質問に答えられない場合には、時間を与えるなどの配慮を示すことで、授業のスムーズな進行が期待されます。
- 授業の意図を説明できる力:発問や教材選択の背景について、「なぜそれを採用したのか」という意図を明確に説明できることが、説得力ある授業を構築する上でのポイントです。
- ICT活用の意識:授業内でICTを活用しているか否か、またそのスキルや意欲についても頻繁に問われます。
採用担当が「一緒に働きたい」と感じる人物像
模擬授業では技術的なスキル以上に、「意欲」と「成長の可能性」が重要視されます。具体的には、大学時代や部活動での成功体験などを活かし、前向きに取り組む姿勢が評価されます。また、経験豊富な応募者には実践的な授業スキルが求められますが、経験が浅い応募者であっても熱意や向上心が選考において大きな強みとなります。
また、東京都市大学付属中学校・高等学校の生徒は、授業に積極的に参加する傾向があるため、生徒を惹きつけ、主体的に学べるような授業ができる人材を求めていると言います。
教員を目指す人へのメッセージ
最後に、草間先生から教員を目指す人へのメッセージをいただきました。
「学校現場は大変なことも多いですが、やりがいのある仕事です。子どもたちの成長を間近で見ることができ、社会に貢献できる人材を育成することができます。ぜひ、子どもたちのために、社会のために貢献したいという強い意志を持って、選考にチャレンジしてください。」
まとめ
今回のインタビューを通して、私立学校の教員採用では、教科の専門知識だけでなく、生徒とのコミュニケーション能力やICT活用スキル、意欲や成長可能性などが重視されることが分かりました。
教員を目指す皆さんは、今回の記事を参考に、選考対策を進めてください。