【教員採用最前線レポート2025】人材獲得競争を勝ち抜く!学校採用戦略の鍵

# 中途採用# 採用手法# 新卒採用# 動画+記事
2025.09.01

本記事(動画)は、2025年7月23日に開催された学校の採用担当者様向けオンラインセミナー「教員採用力セミナー 教員採用最前線レポート2025」の模様を一部抜粋した内容です。民間企業と同様に、教員採用市場もまた、熾烈な「人材獲得競争」の真っただ中にあります。このコラムでは、最新のデータと候補者の本音から、この競争を勝ち抜くための具体的な戦略を探ります。

1. 公立学校の現状と市場の動き

まず、公立学校の教員採用試験の現状を見てみましょう。決して明るいニュースばかりではありません。10年前と比べて、全国的に教員採用試験の倍率は大幅に低下しています。例えば中学校では2015年の7.0倍から2024年には4.0倍へ、高校では9.8倍から4.3倍へと大きく減少しています。主要な関東圏の都県でも、志願者数はこの10年で東京が約48%、千葉県でも約40%近く減少しており、免許取得者も中学校で約14%、高校で約17%減少するなど、人材供給そのものが細くなっています。

このような状況に対し、公立学校では様々な対策を講じています。

  • 試験日程の早期化:5月や6月に1次試験を行う自治体が増え、併願しやすくなっています。
  • 受験しやすさの向上:大学3年生での受験導入や、小論文・集団面接・教職教養の廃止など、選考内容の見直しによって受験者の負担を軽減する動きが見られます。
  • 複数回実施・社会人選考の拡充:夏と秋で複数回採用試験を実施したり、社会人採用を強化したりする自治体も増えています。
  • 待遇改善:初任給の引き上げ(東京都で約4万円、神奈川県で約3万円強)も進んでいます。
  • 魅力発信と働き方改革:今後、教員の魅力を発信し、働き方改革を進めることが重要な柱とされています。

これらの動きは、人材獲得競争の激しさを如実に物語っており、私立学校の採用活動にも大きな影響を与えています。

2. 私立学校が直面する採用の課題

私立学校でも、採用活動は年々厳しさを増しています。教員人材センターのアンケートによると、今年の4月時点で、実に約86%の学校が「採用活動が厳しかった」と回答しています。民間企業と同様に採用活動の早期化も進んでおり、6月までに採用活動を開始する学校の割合は、わずか2年前と比較して20ポイント以上増加し、66%に達しています。

しかし、早期化が進む一方で、課題も浮き彫りになっています。特に、採用活動前の候補者とのコミュニケーション不足が顕著で、イベントを実施している学校はわずか20%強に留まっています。また、求人票における待遇などの情報公開内容が不十分であると感じている学校も約4割に上り、候補者の約29%は、待遇記載がない求人票に応募を見送っています。

3. 候補者の本音を探る:比較と志望度の変化

では、候補者、特に新卒の学生たちはどのような考えで就職活動を行っているのでしょうか。

まず、大前提として、彼らは複数校を比較しながら就職活動を進めています。私立学校を希望する学生の約6割が3校以上に、中には10校以上にエントリーしており、公立を第一志望とする学生の約54%は公立の教員採用試験も受験しています。つまり、公立・私立問わず、徹底的に比較検討するのが今の学生のスタンダードなのです。

注目すべきは、「志望度の変化」です。内定を獲得した学生のうち、当初から第一志望だった学校に入職を決めたのは約3割に過ぎません。残りの約6割は、第二志望群の学校や、当初は志望していなかった学校で働くことを決めています。これは、「試しに応募してみた」学校であっても、選考過程で学校の取り組みや面接担当者の様子、職場の雰囲気に触れることで、徐々に志望度が高まっていった結果です。つまり、当初の志望度が低くても、選考過程を通じて志望度を向上させることは十分に可能なのです。

4. 採用担当者が今、取るべき戦略

人材獲得競争に打ち勝ち、候補者の志望度を高めるために、学校の採用担当者はどのような戦略を取るべきでしょうか。

  1. 情報透明性の徹底と魅力的な求人票の作成
    • 候補者の約29%が「求人票に情報がないから応募しなかった」と回答しています。給与、勤務時間、待遇などの詳細情報を可能な限り具体的に記載し、学校の信頼性を高めましょう。
  2. 選考過程での丁寧なコミュニケーションと体験機会の創出
    • 候補者が内定承諾時に重視する「建学の理念・教育内容」への深い共感は、面接担当者や理事長・校長の熱意ある語り、そして全職員の丁寧な対応から生まれます。校舎見学や体験を通じて、実際の魅力を伝えましょう。
    • ネガティブな印象を防ぐことも重要です。例えば、教員同士の仲の悪さが露呈したり、候補者の名前を間違えたりといった対応は、学校全体の印象を著しく損ねます。
  3. 内定フォローの強化と期間の圧縮
    • 内定者の約3割が内定辞退をしているという現状があります。内定フォローは「内定辞退を防ぐ」ための最重要施策であり、8割を超える学校が実施しています。
    • 定期連絡に加え、学校見学、行事参加、懇親会などを通じ、内定者が学校への帰属意識を深める機会を多角的に提供しましょう。また、選考期間が長いことが辞退理由になることもあるため、選考期間の圧縮も検討が必要です。
  4. 採用活動前の積極的な接点創出
    • 説明会(対面・オンライン・アーカイブ)、個別説明会、ワンデー体験イベント、学校説明会への参加募集など、採用活動前に学校の魅力を伝え、候補者の関心を引く機会を増やしましょう。現在約2割の学校しか実施していない状況を考えると、ここは大きな差別化のポイントとなり得ます。

まとめ:画一的対策の限界と今後の展望

教員採用市場は「売り手市場」であり、学校側にはより積極的で候補者目線に立った採用戦略が求められています。応募者を増やすための「募集団確保」はもちろん、“応募から内定承諾までの「志望度向上」”こそが、人材獲得競争を勝ち抜く最大の鍵となります。

建学の理念や教育内容を深く理解し、共感してもらうために、選考過程での丁寧なコミュニケーション、情報透明性の確保、そして手厚い内定者フォローを、今一度見直してみてはいかがでしょうか。これが、未来の教員を惹きつけるための第一歩となるはずです。

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