電子黒板では何ができる?学校で使うメリット・デメリットを解説

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びす太(KJC-01)
・電子黒板とは?
・電子黒板の学校での普及率は?

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従来の黒板に代わるツールとして電子黒板が注目されています。さまざまなツールがデジタル化している現代において、教育現場にもその波が押し寄せているひとつの事例でしょう。一方、電子黒板はまだ歴史が浅く、導入に至っていない学校も多いのが実情です。そのため、従来の黒板やホワイトボードとの違いや、効果的な活用法がわからないという人も少なくありません。

この記事では、教育現場で働く人や教員を目指している人へ向けて、電子黒板の特徴やメリット、デメリットを解説します。


電子黒板とは?

電子黒板とは、デジタル機能を有した黒板のことです。黒板といっても、実際にはホワイトボードや、既存の黒板に投影するプロジェクタータイプが多くなっています。

電子黒板の主な機能は、画像や動画の表示、書き込み、保存の3つです。電子黒板の機能を活用することで、より視覚的な理解を深められる授業を実現できます。また、パソコンとの接続・連携やクラウドの活用によって、教員の業務効率化および負担軽減につながることも期待されています。電子黒板の導入は教員にとっても生徒にとっても、多くのメリットがあるのです。

2019年末、文部科学省はGIGAスクール構想を打ち出しました。これは義務教育において、児童や生徒の個性を尊重した教育を実現するための構想です。具体的には1人1台、学習用のデジタルデバイスを使用して授業を受けられるよう準備を進めます。さらに、学校内の高速ネットワーク環境などの整備を5年計画で行い、ICTを活用した新しい教育へのシフトを目指すものです。

電子黒板は、GIGAスクール構想の実現に欠かせない要素であることから、文部科学省が積極的に導入を推進しています。今後はさらに導入する学校が増えるでしょう。


GIGAスクール構想の実現について

※ GIGA = Global and Innovation Gateway for All

1人1台端末は令和の学びの 「スタンダード」
多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、 子供たち一人一人に公正に個別最適化され、資質 ・ 能力を一層確実に育成できる教育ICT環境の実現へ
GIGA スクール構想の実現へ:文部科学省

電子黒板の学校での普及率は?

日本における電子黒板の普及は諸外国と比べると遅れています。平成30年時点での整備率は26.8%であり、イギリスやデンマークの80~90%程度と比較すると大きく下回っています。
電子黒板の世界シェアは、カナダのSMART Boardがトップです。国内では、シャープ、パナソニック、NEC、エプソンなどのシェアが高く、いずれも優れた視覚性や直感的な操作が可能な仕様になっています。
文部科学省も積極的に普及を促進し、国内メーカーも電子黒板を積極的に開発・製造しているにもかかわらず、各学校での整備はなかなか進まないのが現状です。

日本は電子黒板の普及率(整備率)が低いだけでなく、死蔵率が非常に高いのも問題です。死蔵率とは、設備を導入していても実際には使用していない状態のことを指します。これは、プロジェクターやタブレット型コンピュータなど、ほかの情報機器でも見られる傾向です。

死蔵率を下げ、整備率を上げるためには、情報機器の普及と並行してインターネット接続の整備も必要不可欠です。どれほどすばらしい機能を持つ機器を導入しても、それらを快適に使えない環境では従来の方法に戻らざるを得ないこともあります。

特に電子黒板は、従来の黒板は残したまま、もしくはその黒板を投影先として使用する前提で設置されることが少なくありません。そのため、従来の方法に戻そうと思えばいつでも戻せる状況にあります。新しい方法に慣れないなどの理由から、従来の黒板に依存している教育現場も少なくないのが実情です。


電子黒板は3タイプある

ディスプレイ型

ディスプレイ型は、電子黒板単体で動作して映像を映し出すタイプです。スマートフォンやタブレットが大きくなったものをイメージするとわかりやすいでしょう。見た目はテレビと似ている製品が多く、操作感はタッチパネル式のタブレットに近いものがあります。普段使っているデジタルデバイスとの共通点が多いことから、教員・生徒ともに受け入れられやすいのもディスプレイ型の特徴です。

ディスプレイ型は、既存の黒板とは別に導入する必要があり、十分な設置スペースの確保が必要です。また、画面の大きさを任意で調節できないため、製品によっては従来の黒板よりもかなり小さいと感じることが多いでしょう。

一方、ピンチアウトで映像を拡大してもきれいな画質を維持できるのは、ディスプレイ型ならではのメリットです。


プロジェクター型

プロジェクター型は、既存の黒板やスクリーンへの投影を前提としたタイプです。一般的なプロジェクターに書き込みや保存の機能を加えたものと考えるとわかりやすいでしょう。基本的な仕組みはプロジェクターと同様で、天井など任意のスペースに投影機を取り付け、スクリーンに映像を映し出します。既存の黒板への投影が可能な製品もあり、教室の環境を大きく変えずに導入できるのもこのタイプの特徴です。

プロジェクター型特有の活用法としては、既存の黒板との併用が挙げられます。黒板の半分に投影し、もう半分は従来のようにチョークやペンを使って授業を進めることも可能です。授業形態の大幅な変更が必要ないことは、プロジェクター型ならではのメリットといえるでしょう。

導入にあたっては見やすさを重視する必要があります。見る位置によって画質に差が出ないように配慮することが大切です。


ユニット型

ユニット型は、既存の液晶テレビやプロジェクターをタッチパネルとして使用できるタイプです。既存の機器を活かせる、教室の環境を大きく変えずに済む、省スペースでの導入が可能、といった手軽さから注目されています。

ユニット型は、既存の機器をタッチパネル化するセンサーを取り付け、パソコンでセンサーからの情報を受信する仕組みです。ハードというよりもシステムの導入に近いため、これまでに大画面の映像機器を使用した授業を行っていた学校が、よりシステムを充実させるために導入するケースも多くあります。

テレビやプロジェクターの画質などはそれぞれの機器に依存します。ユニット型の導入が既存の機器の問題点を補うわけではない点に注意が必要です。


電子黒板でできること・メリット

視覚的にわかりやすく説明できる

電子黒板の最大のメリットは視覚的に説明できることです。従来の黒板を用いた授業では「板書」が基本でした。板書は非常にシンプルでわかりやすい方法である反面、さまざまな問題があったことも事実です。

たとえば、生徒の視力が悪い場合や教員の書く文字が小さい場合には、読み取りにストレスがかかります。板書をノートに書き写す作業に気をとられ、内容の理解が追いつかないという生徒もいるでしょう。また、文字や簡単なイラストだけではニュアンスがうまく伝わらないことも多く、伝え方に苦心する教員も少なくありません。

電子黒板では板書を拡大表示することはもちろん、画像や動画でより詳細な情報を的確に伝えられます。画面上での書き込みやデジタル教科書などもシーンに応じて活用することで、従来の板書における問題点も解消されるでしょう。

これまでも教育現場では、板書での説明を補うために資料の掲示やビデオ教材の使用など、さまざまな工夫が行われてきました。電子黒板を活用すれば、さらに視覚的に理解しやすい授業を実現できます。



生徒が関心を持って積極的に授業に参加してくれる

電子黒板は双方向的な授業を可能にします。従来の板書による授業では、どうしても教員から生徒に対して一方向な説明になる傾向がありました。また、授業内容を習得するスピードや理解度などが生徒によって異なることがわかっていても、それぞれに適切な対応を取ることには限界があるという問題もあります。

電子黒板の導入とあわせて生徒一人ひとりにタブレットやパソコンを配布して連携させれば、従来は難しかった双方向的な授業を行うことが可能です。これまでは黒板の前に指名された生徒が出てきて回答をチョークで書いていたものを、生徒全員が席についたまま自分の回答を伝えられるようになります。

さらに、それぞれの生徒が自分のデジタルデバイスに入力した内容を、電子黒板を通してクラス全体で共有することもできます。自分の考えや回答を示す機会が多くなることで、生徒は授業を「自分ごと」と捉え、積極的に取り組みやすくなるでしょう。

これは、授業への意欲を向上することのみならず、「ものごとの正解はひとつではない」「人によって捉え方はさまざまである」ということを、教員・生徒ともに学ぶことにもつながります。個性や多様性を重視した授業が行われることにより、生徒はさらに授業内容に関心を持つようになるでしょう。


書いた内容を保存すれば授業の振り返りも容易

かねてから授業内容の十分な習得には復習が重要であると言われてきました。しかし、これまでの復習は板書を書き写したノートを見返すことが基本であり、書き写しの時点で不十分な箇所があれば安定的な復習が難しいといった欠点があったことも事実です。

電子黒板で教員が表示・書き込みをした内容を保存すれば、後になって見返すのも容易になります。また、生徒によって内容が異なることもありません。教員は、板書や資料作成が効率化できるというメリットも実感できるはずです。

一方、電子黒板が単なるディスプレイやプロジェクターとしての使用にとどまってしまうと、その特徴を存分に活かせないこともあります。できれば、タブレットやパソコンを配布して、生徒が復習しやすい環境をつくるのが望ましいでしょう。


電子黒板を学校で使うデメリット

電子黒板には数多くのメリットがありますが、その特性を十分理解せずに使用するとデメリットが強く表れることがあります。もっとも懸念されるデメリットは機器の導入コストです。電子黒板の導入には費用がかかります。製品によって価格は異なるものの、生徒それぞれにタブレットやパソコンも配布したり、必要なネットワーク環境を整備したりすると、コストがかさみがちです。

また、機器トラブルが起きた場合、問題の解消に時間がかかることもあります。システムのフリーズや一時的なインターネット環境の悪化によって授業がストップしてしまう恐れもあるため、教員は機器トラブルについての知識を習得する必要も出てくるでしょう。


教員として働くなら電子黒板の活用方法を理解しておこう

文部科学省はICT教育を積極的に推進しています。電子黒板を含むデジタルデバイスは、今後の教育現場において不可欠なツールになるでしょう。ICT教育は授業を双方向的なものに変え、より生徒一人ひとりに合わせた授業を可能にします。今後はさらに普及することが見込まれ、その活用方法についてさまざまな議論がなされていくでしょう。

教育に携わる人やこれから教員を目指す人は、電子黒板のメリットとデメリット、活用方法を把握し、スムーズかつ効率的な授業の実施を目指しましょう。

びす太(KJC-01)

教員人材センター編集部

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