私立・公立の高校教員の給料の違いについて

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監修者

田坂圭吾

教員人材センター キャリアコンサルタント

教員採用
びす太(KJC-01)
・私立・公立の高校教員の年収の違いとは?
・給料を更に上げるためには?

こんな悩みを解決できる記事を書きマシた!

私立学校の教員になるために大学や大学院で教職科目を選択している人は、給料のことも気になりますよね。なんとなく、私立教員の方が高給取りなイメージがありますが、実際のところ、私立高校と公立高校で年収に差はあるのでしょうか。


この記事では、私立・公立高校の年収差や、年代別の月収、民間企業の給与水準との比較などについて解説します。また、給料をさらに上げる方法も紹介しますので、参考にしてください。

私立・公立の高校教員の年収の違い

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私立・公立の差は実はあまりない


20~40代の高校教員の平均年収は514~644万円です。実は、私立と公立で差はあまりなく、私立高校教員の平均年収の方が10~12万円ほど高い程度。私立の方が公立よりも給料が高いというイメージを持っている人も多いと思いますが、月額にすると1万円前後の違いです。


両者の年収に大きな差がないのは、「私立学校の給与は公立学校の給与に準ずること」という慣例があるからです。それでも年収に10万円前後の差が出ているのは、残業代や休日出勤手当の影響でしょう。


「給特法」という法律により、公立教員には残業代や休日出勤手当が出ません。その代わりとして、給与の4%の「教職調整額」が支給されます。一方、私立教員には労働基準法に基づき、所定の労働時間を超えた場合には、残業代や休日出勤手当を支給しなくてはなりません。私立教員の時間外勤務手当が公立教員の教職調整額より多いことが、この10万円前後の差であると推測できます。


ただし、私立の場合は年収が学校によって差がありますので、上記はあくまで「平均」の年収で見た私立と公立の差ということを覚えておきましょう。


年代別月収


私立・公立とも、高校教員の年収は、長く勤めるにつれアップしていきます。総務省の「平成30年 地方公務員給与の実態」によると、公立高校教員の平均初任給は、大卒で206,089円でした。私立学校の給与も公立学校に準ずるため、ほぼ同じ水準と推測されます。


平成30年4月1日地方公務員給与実態調査結果

P33.表―17 団体区分別,職種別初任給基準額
高等学校教諭(大学卒)
初任給基準額:206,089(単位:円)

第1 調査結果の概要(PDF)|平成30年4月1日地方公務員給与実態調査結果

大卒地方公務員の一般行政職の初任給が184,574円となっているため、教員の給与水準の方がやや高いといえるでしょう。一般的な民間の会社員と比べると、初任給はほぼ変わりません。


年代別の推計を見ると、20代での平均月収は31万円、平均年収は350~450万円ほどです。30代からはグッとアップして、平均月収は35万円、平均年収は460~660万円ほど。30代全体の平均年収より100~200万円高い金額です。


さらに、40代では平均月収45万円、平均年収670~760万円ほどになり、長く勤めるにつれ順調に給与水準が上がることがわかります。50~60代になると、平均年収は800万円台になるでしょう。


私立高校教員と民間企業の平均年収を比較すると……


私立高校教員の平均年収は、同じ年代でも学校法人の規模によって異なります。厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」によれば、労働者10人以上の規模の私立高校に勤める教員の平均年収は、約663万円です。


もう少し細かく見てみると、労働者10~99人の規模の私立高校では、平均年収は約601万円、100~999人の規模の私立高校では、約654万円、1,000人以上の規模になると、約796万円です。私立高校では、学校規模が大きくなるにつれ、給与水準が上がっていくことがわかります。ちなみに、100~999人規模の学校に勤める教員の占める割合が最も高く、実に全体の63%です。


一方、労働者10人以上規模の民間企業の平均年収は、約491万円です。同じ条件での私立高校教員の平均年収は663万円でしたので、170万円以上の差があります。民間企業と比べると、私立高校教員の平均給与はかなり高いのです。


給料を更に上げるためには?


前述したとおり、私立・公立高校教員の給料は年代とともに上がっていきます。これは、評価の基準が基本的に年功序列であるためです。そのため、20代や30代の人が単に実績を上げただけでは、給料にはさほど響かない場合があります。教員の給料を上げる方法のひとつは、役職につくことです。


同じ45歳でも、教諭と指導教諭では、年収に50万円以上の差が出ることもあります。また、ある学校では、50歳で教頭になった場合の年収は955万円ほどですが、同じ年齢で校長になった場合の年収は1,028万円です。役職がつくことで、大幅に年収に差が出ることがわかるでしょう。


早く昇進して役職につくには、日常業務をどうこなすかが重要です。担任を受け持ったクラスをうまく運営できる、生活指導に卓越している、といったポイントは高く評価されます。また、協調性を持ってチームとしてしっかり仕事ができる、難しい仕事にも積極的に取り組める、などの評価を得ることも昇進の近道です。


給料は◎私立高校教員を目指す選択肢も


私立高校と公立高校では、教員の平均年収にそれほどの差はないことを紹介しました。いずれにしても、教職は年功序列の考え方が強く、若いうちは実力が高くてもなかなか収入に反映されないかもしれません。年収をグッと上げるには、古い考え方に凝り固まらず、自分の実力を評価してくれる学校に務めることも選択肢としてあります。


教員の給与設定は、教育という仕事の大変さが加味されたものといえます。給与水準や仕事内容に興味をひかれたら、これをきっかけに教職の勉強に取り組んでみるのはいかがでしょうか。

びす太(KJC-01)

教員人材センター編集部

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