シュタイナー教育とは?感性に着目し、個性を尊重する教育方法を解説

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学校教育

シュタイナー教育とは、1970~80年代頃に日本に導入された教育方法です。
日本での歴史が浅いため、もしかすると初耳という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、すでにその教育を受けてきたという日本の有名人もおり、これから少しずつ浸透していくであろう教育方法ということは想像がつきます。
シュタイナー教育の目的は、芸術活動を通して自由を尊重し、自立を促す、といった点。
教育期間には、中学生と高校生にあたる年齢も含まれますので、中学校・高等学校の教員を目指している方、すでに教員だが、新しい教育法に関心がある方は、ぜひ今回の記事を参考に、シュタイナー教育への理解を深めてください。


シュタイナー教育の始まり

シュタイナー教育はオーストリア生まれの哲学者、ルドルフ・シュタイナー博士によって提唱されたものです。
最初にシュタイナー教育を取り入れたのは、ドイツの自由ヴァルドルフ学校。
1919年、シュタイナー教育の先駆けとなった学校です。

シュタイナー教育とは、端的に表現すると「芸術活動を通じて、とらわれのない自由を獲得できる個性を尊重する」という目的で導入された教育方法。
現在では、世界をはじめ、日本でも徐々にシュタイナー教育をベースとした学校が見受けられるようになりました。

それでは、シュタイナー教育とは、具体的にはどのような特徴のある教育方法なのでしょうか。
次の項目で詳しくご説明します。


シュタイナー教育の特徴

ここからは、シュタイナー教育の特徴を詳細に紹介していきます。
これからどんどん台頭してくるであろうシュタイナー教育について、現在教員である、もしくは教員を目指しているという方は、教育者の知識としてしっかりと記憶しておきましょう。


体・心・頭のバランスを重視

シュタイナー教育の一番の特徴は、「体」「心」「頭」のバランスを重視しているというところ。
具体的に、「体、心、頭、いずれかだけ発達し過ぎても良くない。それぞれをバランス良く発達させることが重要」ということを指しています。
このバランスが取れていないと、社会に出てから人間関係に大きな問題を抱えることになったり、せっかく持っている能力を持て余してしまったりするのです。

人間の成長をある一点だけではなく、包括的に見ていく「一般人間学」というシュタイナーの教育理念が、この教育の根底にあります。


発達段階を7年周期で分割する

一般人間学では、人間の成長を7年周期で見ています。
0~7歳、7~14歳、14~21歳で、それぞれ違った力を身につけて成長していくという考え方です。
各タイミングで適切な教育を行っていくことが、子どもの本来持っている力を十分に発揮させると考えられています。

0~7歳、7~14歳、14~21歳とは、それぞれどういった期間なのでしょうか。



0~7歳

0~7歳の期間は、体を動かす遊びなどを通して、健康的な体を作ること、そして、自ら自由に行動するための「意志」や「独創性」を発達させていく期間です。
幼児期から無理な知育などを行う教育方法とは異なり、音楽に合わせて体を動かすなど、子どもらしい遊びをメインとしているところが特徴とも言えるでしょう。
この期間は小学校1年生までの時期にあたりますので、中学校・高等学校の教員をしている方、目指している方は、特に次の項目からが重要になります。



8~14歳

8~14歳は、小学校低学年から中学校2年生までが対象です。
ここからは、心と感情を形成する時期であり、はじめて学びへ意識を向ける時期と言えます。
先生の言葉からイメージを膨らませたり、芸術に触れたりしながら、感受性を豊かにしていく時期ですので、教員などの教育者は、この時期には得に子どもと密にコミュニケーションを取ることが求められます。
また、教育内容から抽象性を省き、子どもたちがより叙情性を直に感じられる環境を作る必要があるでしょう。



15~21歳

15~21歳は、中学生から高校生を経て成人期までが対象です。
ここでは、思考を形成する、要するに、認識活動が中心にあり、自分の判断で自分と外界との関係の位置づけを行う時期と言えます。
論理的に思考し、点と点を繋げて線にするイメージの土台ができるようになります。
この時期、教員をはじめとした教育者は、マインドマップのように、子どもたちの思考の深掘りをサポートすることが求められるでしょう。


シュタイナー教育のメリット・デメリット

従来の教育とは一線を画すシュタイナー教育ですが、メリットばかりかというと、決してそうではありません。
もちろん、メリットの多い教育方法ですが、デメリットも存在しないわけではないのです。
メリットとデメリットの双方をよく理解した上で、適切に指導を行う必要があるでしょう。


メリット

シュタイナー教育のメリットと言えば、決断力が早くから身につくことや、感受性が豊かになること、論理的思考が身につくことなどです。
シュタイナー教育の根幹には「自由を尊重すること」があります。
幼い頃から自分の意志で自由に行動することが求められるため、決断力や判断力が身につきやすいのです。
また、芸術やコミュニケーションを通して豊かな感受性を育むこともできます。

さらに、シュタイナー教育は、その子ども独自の才能が開花しやすいとも言われています。
子どもが自分で考え行動する、個性を尊重した教育方法であるため、レールの敷かれた教育方法よりも、子どもの才能を伸ばす機会が多いのです。


デメリット

子どもにとってメリットの多いシュタイナー教育ですが、先述の通り、デメリットも存在します。
例を挙げるのであれば、「子どもが生活で制約を受ける」ことです。
シュタイナー教育では、子どもからテレビなどのメディアを遠ざけることや、低学年のうちは特定のスポーツをやらせないなどの独自のルールがあるため、生活の中で子どもが窮屈に感じてしまうことがあるかもしれません。

また、認定校でなければ卒業資格を得られないという点も、デメリットと言えるでしょう。
シュタイナー教育の認定校を卒業すれば義務教育修了とみなされますが、そうでない学校でシュタイナー教育を受けても、卒業資格を得られないのです。

シュタイナー教育を受けつつ卒業資格をしっかりと得るためには、認定校に通うほか、シュタイナー教育認定校がある市区町村の公立学校に籍を置いて、実際の教育は認定校で受ける、といった方法を取る必要があります。


シュタイナー教育の具体的な授業内容

シュタイナー教育は、基本的には小学校と中学校を区別せず、小学校入学時期から8年間は、担任やクラスの変更がない一貫教育が行われます。
幼稚園から12年間、または18歳までの15年間を一貫教育としている学校も存在するほどです。
そこで行われる具体的な授業内容を、以下でご説明します。


オイリュトミーとフォルメン

オイリュトミーとは「美しいリズム」という意味であり、この授業では、音楽に合わせて体を動かしたり、クラスメイトと輪になってリクリエーションをしたりします。
目的としては、他人との調和や、心情の表現にあります。

また、フォルメンとは、直線・曲線などさまざまな線を多様な色で描いていく授業です。
規則性のある幾何学模様を描くことで、バランス感覚や集中力を伸ばしていきます。


エポック授業

エポック授業では、国語・算数・理科・社会のいずれか1教科を、最大4週間かけて集中的に学ぶことです。
ひとつの教科に絞ることで効率的に学習を進める目的があります。
また、ここで肝になるのが、「教科書を使用しない」ということです。
子どもたちは「エポックノート」と呼ばれる、授業で学んだことを自分なりにまとめて教科書風にするノートを作成していきます。


シュタイナー教育とモンテッソーリ教育の違い

シュタイナー教育以外にも、海外の教育法として有名なのが、「モンテッソーリ教育」。
いずれも「自由」「自立」などに重きをおいた教育であるため、違いがわかりにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
わかりやすい違いは、シュタイナー教育は成人期まで及ぶのに対して、モンテッソーリ教育は基本的に幼児期に行うものであるという点でしょう。

また、シュタイナー教育では基本的に勉強らしい勉強をさせるのは8歳からで、モンテッソーリ教育では幼児期から言語教育や算数教育を行います。

シュタイナー教育は「教育そのものが芸術行為であるべき」と考えられる一方で、モンテッソーリ教育は「生涯学び続ける姿勢を持つ人間を育てるべき」と考えられているのです。

項目の冒頭でもお伝えした通り、双方が自由や自立を尊重する教育方針であることには変わりありませんが、その過程が異なっています。


日本におけるシュタイナー教育の広まり

シュタイナー教育は当初、ヨーロッパ文化圏で広く採用され、徐々に世界中へと広まっていきました。
もちろん、日本も例外ではありません。

日本でのシュタイナー教育受容は、1970~1980年代頃。
1987年には、日本初のシュタイナー学校である「東京シュタイナーシューレ」が東京都新宿区に誕生したのです。

当時は学校外での学びの事例は少なく、小学校6年間、中学校3年間の義務教育に反する偏見を背負いながらの活動が続きましたが、1990年代後半になると、教育行政が急増した不登校生徒の対応に追われることに。
その流れに乗り、小泉元首相の政権下にて、フリースクールの法的認可を目指す運動が起こります。

その結果、2校のシュタイナー学校が学校法人を取得し、自治体の協力を得ながら廃校を活用した学校づくりが成されたのです。

こうした活動を通じ、日本でもシュタイナー教育の社会的認知が進み、全国にシュタイナー学校が存在しています。


オルタナティブ教育に関心のある方は「教育人材センター」に相談

この記事を読まれて、シュタイナー教育への関心がさらに高まった、シュタイナー教育を行ってみたい、と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
シュタイナー教育は、子どもの感性に特に着目した、新しい教育法です。

そんな方向けに、「教育人材センター」では、「オルタナティブ教育」の学校を紹介することが可能です。シュタイナー教育にように、特徴は探求型や少人数制、無学年制クラスといった方式で授業が行われます。

これまでの一般的な学校教育ではない、先進的な教育を手掛けたいという教員志望者、教員の方は、ぜひ「教育人材センター」へご相談ください。

就職した際のミスマッチを防ぐために、どこよりも丁寧なヒアリングを行います。
有意義な教育を実現できるよう全力でサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。


びす太(KJC-01)

教員人材センター編集部

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