中学校の先生になるには?教員免許や仕事内容について解説

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中学校の先生になるには?教員免許や仕事内容について解説
かつては中学校の教員は競争倍率も難易度も高く、狭き門といわれた職業でした。しかし近年は団塊の世代と呼ばれる世代の教員の定年退職が増えており、さらに少人数での指導が取り入れられたこともあり、中学校の教員採用者数は増加傾向にあります。

そこで今回は、中学校の教員になるために必要な条件や教員免許を取得するための方法、中学校での仕事内容について解説します。

中学校の先生になるためには教員免許が必要

中学校の先生になるためには、教員免許の取得が必要不可欠です。教員免許を取得するには、短大や大学の教職課程を修了する必要があります。

中学校の教員免許は、中学校教諭一種免許状、中学校教諭二種免許状、中学校教諭専修免許状の3種類があり、教科ごとに分かれています。それぞれ一種は大卒、二種は短大卒、専修は大学院卒と修了した教職課程により異なりますが、これら3種類はすべて「普通免許状」です。普通免許状を取得するには、教職課程を修了した上で社会福祉施設での7日以上の介護体験、学校で行う教育実習も必須となります。

なお、中学校の教員免許には、普通免許状以外に取得方法が異なる「特別免許状」と「臨時免許状」もあります。

では、中学校の教員免許を取得するにはどのような方法があるのか、具体的に解説していきましょう。

短大・大学の教育学部に通う

中学校の教員になる方法として最もメジャーといえるのが、短大や大学の教育学部に進学する方法です。その名の通り教育について学ぶ教育学部では、子供の成長のために適切な教育、教育の子供への影響、教育の在り方や日本の教育制度についてなど、教育についてさまざまな観点から探究して学習・研究を行います。学校教育について学ぶことがメインですが、人間の成長や発達の過程も教育に重要な要素なので、教育学部では社会科学や心理学、文学など教育に関わる分野も幅広く学び、大学によっては専門分野をより深く学べるカリキュラムが組まれていることもあります。

教育学部は教育について総合的に学習できる学部なので、教員として働き始めたときに役立つ実践的な知識やスキルが身につくのが魅力の1つです。ただし、教育学部を卒業すれば必ず教員免許を取れるとは限らず、教職課程を取らなければならない場合があります。一部の大学では教員養成に特化したコースを設置しており、卒業と同時に教員免許が取得できることも多いため、中学校の教員を目指す明確な目的がある方なら、教員養成コースの選択をおすすめします。

短大・大学の他の学部に通う

教育学部以外の学部を選択しても中学校の教員を目指すことは可能ですが、教科によって取得できる教員免許の種類が異なります。基本的に、教育学部は学部で専攻する教科の教員免許が取得可能です。
その他の学部では、国語の場合は文学部、外国語学部、学芸学部の日本文学科など、英語は文学部や外国語学部の英文科や英米文学科などに加えて国際教養学部でも取得できる場合があります。

数学や理科の教員免許は、理学部や理工学部で取得できることがあるほか、数学は産業学部、理科は農学部や薬学部でも取得が可能です。また、工学部や理工学部では技術の教員免許が取得できることがありますが、高校の教員免許のみ取得可能という場合があるので、中学校の教員免許が取得できるかどうか確認しておきましょう。なお、現在技術の教職過程を設置している短大がないため、短大で技術の教員免許取得も不可能です。

美術の教員免許は芸術学部や美術学部、造形学部などのほか、文学部の人文学科で取得できることがあります。保健体育の教員免許取得は、体育学部やスポーツ人間学部などのスポーツ系の学部が一般的です。

通信制大学に通う

教員免許は短大や大学を卒業する必要があると思われがちですが、免許未取得の既卒者、または高卒・専門学校卒でも教員免許を取得できるチャンスはあります。その方法として挙げられるのが、通信制大学への入学です。通信制大学には教職課程を設けているところもあり、教職課程で単位を取得すれば教員免許を取得できます。

通信制大学は、スクーリングや教育実習で通う必要が出てくることはあるものの、基本的に短大や大学のように通学する必要はありません。ライフスタイルに合わせてマイペースで学習できるため、高卒や専門学校卒、または大卒でも教員免許を取っておらず社会人として働いている場合でも、仕事と学業を両立して教員免許取得を目指しやすいメリットがあります。さらに通信制大学は短大や大学へ通学するよりも学費が安く、経済的な負担を抑えられる点もメリットです。

大卒で教職課程を取っていなかった方なら3年次から編入して単位取得もできるので、より短い期間で教員免許取得が可能です。

中学と高校の教員免許は両方あると就職に有利

小学校と中学校、高校の教員免許取得に必要な単位数はそれぞれ異なり、教科に関する科目、教職に関する科目、教科又は教職に関する科目、その他の単位の計4種類の単位取得が求められます。その内訳は、教科に関する科目は20単位以上、教職に関する科目は31単位以上、教科又は教職に関する科目は8単位以上です。(※)

高校の教員免許の取得は、中学校の教員免許取得よりも教職に関する科目が8種目減る一方、教科又は教職に関する科目が8単位ずつ多くなります。必要な単位の内訳は若干異なるものの、単位数のトータルで見ると中学校の教員免許に8単位加えるだけで高校の教員免許も取得できます。中学と高校両方の教員免許を持っていると、教員採用試験の対象範囲が広がったり、中間一貫校などで両方の教員免許が条件となっている学校への応募ができたりするなど、就職に有利になります。
※出典:2.(6)教員免許状取得に必要な科目の単位数・内訳:文部科学省|文部科学省

教員免許の取得後は教員採用試験に臨もう

教員免許の取得後は教員採用試験に臨もう 教員免許取得後に、教員採用試験に合格して初めて教員として働けます。中学校の教員採用試験は、公立の中学校教員を採用する地方自治体の採用試験と、私立中学校の採用試験の2種類があります。

公立の教員採用試験は筆記と面接を行う1次試験が6~7月頃、実技を行う2次試験が8~9月頃に行われ、10月に合格発表が行われるのが一般的です。試験内容は筆記試験と面接試験、実技試験と適性検査の4つに分かれており、筆記試験の内容は一般教養、教職教養、専門教養、小論文の4科目です。一般教養は高校までの学習範囲の全科目から出題されるほか、一般常識や時事問題なども含まれます。教職教養では学校教育に関わる問題、専門教養では志望教科の専門性などが問われます。
教員採用試験について詳しくは、「教員採用試験とは?難易度が高いといわれる理由と対策を解説」も参照ください。

私立中学の採用試験は公立のように毎年決まったスケジュールで採用試験を行うのではなく、学校単位で行われます。必要に応じて求人が出るため、毎年必ず応募できるとは限りません。また、採用試験の内容や採用基準も学校ごとに異なる点が、公立中学との大きな違いです。

私立の中学校の先生になる場合は?

公立中学の教員であれば毎年決まった時期に教員採用試験が行われますが、学校単位で採用する私立中学は求人が出る時期が不定期で、採用が行われない年もあります。そのため、ある意味私立中学の教員になるのは簡単ではないと思われる方も多いのではないでしょうか。

私立中学の教員になる方法は、大きく分けてスカウト、直接応募、マッチングサービスの利用の3種類です。スカウトは適性検査の成績で評定を行った上で名簿に登録するタイプ、私立中学高等学校協会に履歴書を預ける履歴書委託制度などの登録制度の2種類で、都道府県によっても採用方法は異なります。

直接応募は志望する私立中学または日本私立学校教育研究所の求人を見て応募する方法、マッチングサービスは教員向けの就職エージェントを利用する方法となります。採用時期が決まっていない私立中学の教員募集は、情報収集が重要です。
これらの方法を活用していち早く情報を得ることが、私立中学の教員になるためのポイントです。

なお、私立中学の多くは中高一貫校です。そのため、応募の際は前述のように中学校と高校の両方の免許がもっている方が有利です。

中学校の先生の仕事内容

中学校の先生の仕事内容 中学校の教員の仕事内容は、専門教科の指導を行うことをはじめとして、テスト問題の作成や採点なども行います。中学校では各教科を専門とする教員が指導を行うことから、小学校よりも専門的な内容を学習するため、わかりやすい授業や指導で生徒の基礎学力を高めることも重要です。また、障害を持つ生徒が通う特別支援学級での指導も、中学校の教員の仕事です。
特別支援学級での指導には特別支援学校教諭免許状の取得が推奨されていますが、必須とはなっていません。

クラス担任を持った場合はクラス運営にも携わり、生徒の進路指導や生活指導なども行います。保護者と面談する機会もあるため、PTA運営や保護者との対応も教員の業務に含まれます。

中学校の教員は、クラブ活動や学校行事などの特別活動にも関わることが多いものです。クラブ活動では顧問となり指導を行うこともあれば、学校行事の準備や参加など仕事内容は多岐にわたります。
中学校教員の1日は、早朝に出勤して生徒の登校指導を行った後に職員会議や打ち合わせで連絡事項や情報交換を行った後、ホームルームで連絡事項を伝えます。9時頃から授業が始まり、授業の合間の空き時間は職員室へ戻って授業の準備や配布物作成などの事務作業に当て、放課後はクラブ指導、翌日以降の授業の準備などの残務処理を終えてから退勤です。

中学校の先生の給料・年収

総務省のデータによれば、令和3年度の公立中学校教員の給与は、諸手当込みで月額平均約40万円です。ただし勤務する学校がある自治体や勤続年数などによっても変動します。この額から算出すると、平均年収は500万円前後です。私立中学は学校によって給与の差があり、公立中学よりも年収が高い場合があります。
公立の場合、勤続年数が長ければ長いほど年収がアップします。各自治体では、「等級」と「号給」で給与が決められます。等級とは職務、号給は等級を細分化し、同じ勤務年数でもキャリアやスキルの習熟度を反映するものです。つまり、スキルや役職が上がれば号給が上がる分昇給が見込め、役職に就けば等級も上がるのでさらに年収も上がるため、長く勤務をしてスキルアップをすれば、昇給が期待できます。
※出典:R3_kyuyo_1_03-2.pdf |総務省

キャリアプランを立てて中学校の先生を目指しましょう

以前より競争倍率も下がっている中学校の教員採用者数ですが、現在も決して難易度が下がったわけではありません。教科によっては10倍程の競争倍率もあり、依然難易度が高い職種といえますが、成長過程にある中学生の指導に関わり、生徒たちの成長などを実感できるやりがいのある仕事です。教員採用試験までのキャリアプランをしっかりと立てて、中学校教員を目指しましょう。

びす太(KJC-01)

教員人材センター編集部

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