私立学校で教員として働くためには?なり方や特徴を解説

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監修者

田坂圭吾

教員人材センター キャリアコンサルタント

教員採用
私立学校で教員として働くためには?
びす太(KJC-01)
・私立学校で働くメリット、デメリットとは?
・私立学校の教員になるための3つの方法とは?

こんな悩みを解決できる記事を書きマシた!

「私立の中学校、高校で、教員として働くのはどうだろう」 そうお考えの方のため、私立学校で働くことの特徴と、私立学校の教員になる方法をご紹介いたします。


公立学校と私立学校では、勤務形態は公務員と一般企業のように大きく異なります。 私立学校に就職を希望されるのであれば、その違いも把握しておきましょう。私立学校で働くことをご希望の方は参考にしてください。

私立学校の数は少ない

私立学校の数は少ない

私立学校への就職をお考えの方は、私立学校の教員の募集の数がどの程度なのか知っておきましょう。

一般に、公立学校に比べて私立学校の数は少ないです。


この傾向は地方になると顕著です。地方にお住まいの方の場合、私立学校への就職はそのときの人手に大きく左右されるため、一筋縄にはいかないでしょう。


一方、都内では、地方に比べて私立学校の割合が高く、就職枠も広いです。 実際に、東京都内の高等学校の全教員のうち、47.3%は私立学校に属しているというデータもあります。 東京都では公立学校と私立学校の教員の募集数にそれほど大きな違いはないと考えられます。


加えて、私立学校では、学校ごとに採用活動が行われるため、応募のチャンスが多くあります。 公立学校の場合は、都道府県ごとに行われる教員採用試験での応募のみです。 都心部においては、私立学校の教員の方が応募のチャンスが多いです。


このような背景から、都心部にお住まいで、すぐに教員になることを強く希望する方は、私立学校勤務を考慮に入れてみるのもよいですね。

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私立学校教員の仕事内容は教えることだけではない


私立学校であっても公立学校であっても、教員という仕事に関して大きな違いはありません。 担当する授業を行うことはもちろんのこと、テストの採点や部活動の指導といった業務も、私立学校に勤める教員の仕事に数えられます。


基本的に、生徒が学校にいる間は、教員も学校にいます。進学校のように放課後に生徒たちが教室に残って自主学習を行う場合、教員たちも残業をしなければならないことがあります。


私立学校の教員は、公立学校の教員が行わないような仕事を任されることがあります。たとえば、近隣の中学校などへの営業といった業務が挙げられます。


このように、基本的に公立学校の場合と変わりませんが、一部異なる部分が見受けられます。


私立学校で働くメリット

私立学校で働くメリット

私立学校には、公立学校にはない魅力がたくさんあります。ここでは、私立学校で働く4つのメリットをご紹介いたします。


メリット1. 私立学校は実力主義で給料が決まるところもある


私立学校の給与は、公立学校と同じように年功序列で決まる学校のほうが多いようです。しかし、私立学校によっては、実力主義で給料が決まるところもあります。そのため、やる気があり能力の高い人であれば、若くして高い収入を得ることが可能です。


私立学校は、初任給が高めであり、その点も魅力です。


担任を持たない常勤講師であれば、初任給は24万円、担任を持つ場合は26万円程度が一般的です。ボーナスに関しては、3〜4ヶ月分であることが多く、70〜100万円程度は期待できるでしょう。


メリット2. 私立学校はユニークな授業が可能


私立の学校の場合、公立学校のように授業の内容がガチガチに決められている訳ではないため、ユニークな授業を行うことができます。


基本的には、教員が集まって行う会議の中で、授業の内容、使用するテキストについての話し合いが行われます。


この会議では、若手であろうがベテランであろうが自由に発言することができ、よいアイデアであれば、すぐに採用されます。


そのため、私立学校は、教員がやりがいを感じやすい職場環境といえます。


私立学校は自由度の高い環境があるため、やる気に満ち溢れた教員の方にとてもおすすめです。


メリット3. 私立学校は柔軟で新しいことにチャレンジしやすい


私立学校は、授業以外のことに関しても柔軟で、新しいことにチャレンジしやすい環境です。たとえば、地域に貢献するために、生徒たちがボランティアに参加するイベントを発起したり、国際性を養うために留学生との交流イベントを企画できます。


一方、公立学校の場合は、カリキュラムが厳しく決められているため、自由にイベントを開催することは難しいです。アイデアを形にする機会は少ないです。


イベントを企画して実行するには、それなりの責任がともないますが、成功したときの感動は大きいです。 そのような喜び、達成感を味わいたいのであれば、私立学校はおすすめです。


メリット4. 転勤の心配が少ない


私立学校では、定期的な転勤はありません。 そのため、定年退職までずっとその学校で働くことも可能です。一方、公立学校では、基本的に転勤があります。


転勤がないと、引っ越す必要がないのが安心です。 また、職場やご近所の人間関係も、ずっと同じであるため、環境の変化でストレスを感じることはありません。


母校を訪問した卒業生と会うことができるのも、転勤がないメリットの1つです。


私立学校で働く3つのデメリット


私立学校で教員として働くことは、よいことばかりではありません。なかには、嫌なこともあり、人によっては職場環境が合わないと感じることもあります。下記では、私立学校で働く3つのデメリットをご紹介します。


デメリット1. 仕事内容の幅が広い


私立学校も公立学校同様に授業以外の仕事があります。中には私立学校ならではという仕事もあります。 たとえば、


  • 新しい生徒を集めるため、周辺学校へ営業を行う
  • 学校紹介のパンフレットを作成する

といったことも、任されることがあります。


一般的に教員は複数の課(教務課、生徒指導課、庶務課など)を兼任します。


どれくらい兼任するかは学校の方針等で異なりますが、教職員数が多い学校は兼任する数は少ないようです。なお教職員数は生徒数にほぼ比例します。生徒数が多い学校は教職員数も多く、生徒数が少ない学校の教職員数は少ないです。


デメリット2. 保護者の要求が高い


私立学校に通う生徒の保護者は、要求が高いことが多く、その対応に四苦八苦することも多々あります。


このような傾向がある理由のひとつとして、高い学費が考えられます。 高い学費を払って子どもを学校に通わせている親の立場で考えると、要求が高くなるのは仕方ない部分もあります。 教員側からすると、強いプレッシャーではありますが、そのことを理解したうえで働く必要があるでしょう。


デメリット3. 人間関係の影響を強く受ける


前述したように、私立学校には基本的に転勤がありません。一度就職したら、基本的に定年まで同じ場所で働きます。

そのため、もし就職した学校の人間関係が上手くいかなかった場合、その環境で働き続けるか、仕事を辞める(転職して職場を変える)かの2択から選択することになります。


一方、公立の学校では、定期的に転勤があるため、数年我慢をすれば、人間関係をリセットできます。


私立学校では若手の育成があまり行われていない学校もあります。10年以上働くベテラン教員達の中には、若手教員へのサポートを行わない方もいます。


そのような教員がいることで、職場環境が悪くなり、またすぐに若手が離れてしまうという悪循環が生まれているところもあります。


私立学校の教員になるための3つの方法


私立学校の教員になる方法は、次の3つに分けられます。


  • 就職活動を行う
  • スカウトを待つ
  • マッチングサービス(人材会社)を利用する

詳しく見ていきましょう。


方法1. 就職活動を行う


最も一般的な私立学校の教員のなり方は、民間の企業と同じく就職活動を行う方法です。 応募については、下記の方法があります。


  • 各学校のサイトから行う

最近では、どの学校も専用のページがあります。


サイトの項目のひとつに、採用情報に関するリンクがあります。そこをクリックすると、募集要項を確認できます。


募集要項にしっかり目を通し、求める条件と合致しているのであれば、応募を行ってください。応募方法は学校によって異なりますが、必要書類の郵送が一般的です。最近ではメールや応募フォームから応募を行う学校も増えてきました。


具体的な応募方法に関しては、募集要項の中に記載されています。記載内容に従って手続きを行いましょう。 応募にあたり、日本私学教育研究所のサイトを活用するのも良いでしょう。 日本私学教育研究所のサイトでは、都道府県私学協会加盟の私立学校(中学校・高等学校。一部小学校を含む)から寄せられた教職員募集情報の概要を閲覧できます。


しかし、サイトから直接応募することはできないので、詳しい内容は各学校のサイトで確認するか、掲載されていない場合は各学校サイトに記載の連絡先まで問い合わせしてみるといいでしょう。


方法2. 学校からのスカウトを待つ


学校からのスカウトを待つという方法もあります。 この方法では、私学教員適性検査、もしくは履歴書委託制度のいずれかを利用します。


【私学教員適性検査

私立中学高等学校協会が行っている私立学校への勤務を希望する教員向けに行う適性検査です。 この検査では、「専門教科・科目」「教職教養科目」の2つの試験があり、その試験結果は各私立中学、高等学校の学校長に配布されます。 私立学校の学校長は、配布された資料を基に、スカウトを行います。


【履歴書委託制度】

私立学校への勤務を希望する教員が、私立中学高等学校協会に履歴書を預け、その履歴書の情報を私立学校に共有します。

なお、履歴書委託制度の採用までの流れは、各都道府県にある協会により異なります。


方法3. マッチングサービス(人材会社)を利用する


私立学校の教員になるには、マッチングサービスを利用するのもひとつの手です。 マッチングサービスの中には、教職員希望者向けのものがあり、そのサービスでは教職希望者と人手が欲しい学校の双方が情報を開示しています。


マッチングサービスでは、多種多様な求人情報が得られるのが強みです。また、就職活動に役立つ独自のセミナーや講習を行っていることもあり、とても便利です。


まとめ


私立学校の教職員の仕事内容、メリット・デメリット、私立学校で働く方法についてご紹介いたしました。私立学校の教員は、公立の場合に比べ、自由度が高く、やる気や熱意を持って働く方にはとてもよい職場環境です。


しかし、生徒の保護者達の要求が高く、高収入を得るには高いスキルが必要と、実力主義な一面もあります。私立学校への勤務をお考えの方は、厳しい面もしっかり理解しておくべきでしょう。

びす太(KJC-01)

教員人材センター編集部

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