思ったより高い!?教員の給与~公立・私立徹底比較

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2022.07.19

今回は、公立学校と私立学校の給料・給与について詳しく解説いたします。お金のことは働く上で非常に重要な要素です。しっかりと確認していきましょう。

用語の違い

記事に入る前に、用語の定義を確認しておきます。

  • 給与: 手当も含めた、会社などから支払われるすべてのもの。
  • 給料: 手当などを除いた基本給のみのもの。

1. そもそも教員の給与はいくらくらい?

教員の給与水準について、まずは全体的な傾向を見ていきましょう。令和3年賃金構造基本統計調査によると、教員の給与は20代で400万円強、30代で650万円、40代では800万円となっています。

同調査における平均賃金と比較すると、20代で400万円弱、30代で500万円弱、40代で550万円程度となっており、教員の給与は比較的高い水準にあると言えます。

給与は「きまって支給する現金給与額×12+賞与その他特別給与額」で算出されます。平均給与も同様の計算式で算出されます。

2. 公立の給与は自治体によって違う

公立学校の教員の給料は、都道府県ごとに異なります。年収として情報が公開されていない場合が多いため、ここでは月額の給料について説明します。

教員数の多い東京都・大阪府・福岡県の例を見てみましょう。新卒初任給の場合、東京都は約248,700円、大阪府は約219,700円、福岡県は約210,500円と、自治体によって差があります。

平均給料についても、東京都は平均年齢44.1歳で約35万6,660円、大阪府の高校教員は平均年齢46.3歳で約36万4,732円、福岡県の高校教員は平均年齢46.3歳で約37万2,706円となっています。ただし、公開年度が各都府県で異なるため、これらの数値はあくまで参考として捉えてください。

東京都の例では、経験年数ごとの給料の推移も分かります。高校教員の場合、経験年数10年で約30万3,061円、20年で約39万9,144円、30年で約43万5,646円と、経験年数に応じて給料が上がっていくことが分かります。

給料以外にも、教員にはさまざまな手当が支給されます。主な手当としては、以下のものがあります。

  • 教職調整額
  • 義務教育等教員特別手当
  • 教員特殊業務手当(部活動指導手当など)
  • へき地手当
  • 定時制通信教育手当
  • 地域手当

3. 東京の私立の給与分布は?

私立学校の給与は、学校ごとに大きく異なります。同じ都道府県内の学校でも、金額に幅があります。

教員人材センターが以前行った調査(2016年度、都内私立中高約200校対象)のデータを見てみましょう。このデータは現況と大きく懸け離れていないと考えられます。

22歳(新卒)の年収を見ると、400万円から450万円の学校が最も多く、約70校を占めています。最も高い学校では590万円ほど、低い学校では270万円ほどとなっており、平均は約410万円強です。新卒で500万円を超えるというのは、一般企業と比較してもかなり高い水準と言えるでしょう。日本の新卒の平均年収が200万円~250万円程度であることを考えると、私立学校教員の給与は全体的に高い傾向にあると言えます。

32歳(経験年数10年)の給与を見ると、分布はより高い方に移動し、700万円~750万円が最も多く、約50校弱となっています。最も高い学校では950万円ほどで、1000万円に迫る水準です。低い学校では370万円弱となっており、22歳時よりも差が大きくなっています。平均は約680万円です。高い学校では非常に高額な給与を得ていることが分かります。

42歳になると、平均は約920万円強となり、1000万円を超える学校が70校以上出てきます。

4. 残業代は…?

残業代の扱いは、公立学校と私立学校で大きく異なります。これは、それぞれの給与に関する法律が異なるためです。

公立学校では、給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)に基づいて給与が支給されます。給特法では、休日手当や時間外手当などを支給しない代わりに、月給の4パーセントを教職調整額として支払うことを定めています。この教職調整額は、教員の授業準備や生徒対応など、時間をかけようと思えば際限なく時間を費やしてしまうという業務の特殊性を考慮して設けられた制度です。この4%という数字は、昭和41年度に1年間をかけて行われた全国的な勤務状況調査がもとになっており、当時の1週間あたりの残業時間は2時間弱程度だったとされています。しかし、現状と懸け離れている点から、「定額働かせ放題」と批判されることもあります。

一方、私立学校では給特法は適用されず、労働基準法に基づいて給与が支給されます。そのため、残業した場合はその分の給与が支払われることになります。ただし、最近ではみなし残業を設けている学校もあります。待遇の説明を受ける際には、残業の扱いについてもしっかりと確認するようにしましょう。

5. まとめ

今回は、教員の給与について、公立学校と私立学校の違いを中心に解説しました。「給与が高いから教員になる」という方は多くはないかもしれませんが、お金は働く上で重要な要素の一つです。「給与が高いから教員になる」という考え方も、個人的には選択肢の一つとしてありだと思います。

以前は、私立学校では、給与等を公開しない学校もありましたが、最近では少なくなってきています。中には内定後に説明する学校もありますので、事前にしっかりと確認することが重要です。

教員の給与についてはさまざまな議論がありますが、公立と私立の給与に関する違いをしっかりと理解し、今後の就職活動などに役立てていただければ幸いです。

参考資料

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