学校の先生になるための方法は?今からでも遅くない教員免許の取得方法

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監修者

田坂圭吾

教員人材センター キャリアコンサルタント

先生になりたい
びす太(KJC-01)
・教員免許を取得する方法とは?
・社会人から先生になるには?

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学校の教員を目指すには、学生時代に教員免許を取っておかなければいけないと思っている人も多いかもしれません。しかしすでに社会人として働いていても、そこから学校の先生になるための方法はいくつもあります。

そこでこの記事では、教員になるための一般的な知識を紹介した後で、社会人から学校の先生になるための方法まで解説します。

学校の先生になるには教員免許が必要

教員になるには中学校や高校といった学校の種別を問わず、教員免許を取得した上で教員採用試験に合格するのが基本的な流れです。

最初の関門となるのが教員免許で、一般的には大学などで教職課程を履修して教育実習を行った後に取得することになります。ただし、教職課程を修了していない人でも免許の種類は限られますが、教員資格認定試験に合格するといった方法で教員免許を取得することも可能です。

教員免許を取得したら、公立高校の教員を目指す場合は「各都道府県や自治体が主催する採用試験」、私立高校の教員を目指す場合は「各学校で行われる採用試験」を受けます。教員採用試験に合格して採用されれば、晴れて学校の先生として働けるようになります。

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教員免許の種類

実は教員免許と一口にいっても、「普通免許状」「特別免許状」「臨時免許状」という3つの種類があります。最も代表的な教員免許として挙げられるのが「普通免許状」で、取得方法によって「一種免許状」「二種免許状」「専修免許状」の3つにさらに細分化されています。

一種免許状は4年生大学の教職課程を修了した場合(学士)、二種免許状は短期大学の教職課程を修了した場合(準学士)に得られる免許です。一方、専修免許状は大学院で修士などの学位を得て卒業した場合に取得できます。

普通免許状は教職課程を修了すれば誰でも取得できる可能性があるのに対して、2つ目の特別免許状は特定分野において豊富な知識や経験を持つ人だけが取得できる免許です。取得すれば、普通免許状がなくても学校の先生として教育に携われます。

3つ目の臨時免許状は、その名の通り臨時的に授与される少し特殊な免許です。臨時免許状取得者は各学校で普通免許状を所持している人を確保できない場合に限り採用され、助教諭や養護助教諭としてのみ働くことができます。


教員免許を取得する方法

学校の先生として教壇に立つために必要な教員免許を取得する方法は主に3つです。中には大学で教員免許を取得しなくても教員として働ける方法もあるため、それぞれの方法をよく理解しておきましょう。


大学・短期大学で教職課程を修了する

教員免許を取得する方法のうち、最も一般的なのが「大学や短期大学などで教職課程を修了する方法」です。教職課程を修了することで教員として必要な知識を学べるだけでなく、教育実習によって実践を経験できるためメリットです。

すでに大学を卒業している場合は再入学しなければいけませんが、「科目履修生制度」を利用すれば必要な科目を学び直すだけで済む場合もあります。さらに大学によっては通信教育で教職課程を修了することもできるため、社会人として働いている人は選択肢の一つに入れておきましょう。

ただし、前述したように大学や短大など卒業する学校の種類によって、取得できる免許状は変わります。取得した免許状の種別によって働ける場所は異なるため、「小中高のどの学校の教員を目指すか」や「担当したい教科」を事前に確認してから準備を始めることが重要です。


教員資格認定試験に合格する

教員資格認定試験は文部科学大臣が実施する特別な試験で、教職員免許法に基づき2018(平成30)年度から独立行政法人教職員支援機構が実施しています。大学や短期大学などで教職課程を修了していない場合でも、この試験に合格すれば教員として働くための能力を持っていると認められます。

試験に合格した場合は、居住している地域にある都道府県の教育委員会に申請することで普通免許状の取得が可能です。ただし取得できるのは二種免許状のみとなっており、教員として働けるのは幼稚園・小学校・特別支援学校のみとなります。中学校や高校の先生として働くことはできないため注意しましょう。


特別免許状を取得する

特別免許状は、特定分野で優れた功績や知識を持つ人に特別に与えられる免許状です。通常の教員では教えられない専門知識や技能を伝えることで、学校教育の活性化や多様性を確保することを目的に導入されています。取得条件は都道府県教育委員会が行う「教育職員検定」に合格することです。
試験では受験する人の社会的信望や教育に対する意欲、過去の経験といった項目が問われます。

これまでの取得事例は、「パティシエとして経験を積んだ人が家庭科の特別免許状を取得」「海外での滞在歴が長い人が英語の特別免許状を取得」などです。学校教育の現場では、これまでに比べてさまざまな視点から物事を教えられる人材が求められていることもあり、近年では特別免許状の授与件数は増加傾向にあります。


教員免許を取得したら教員採用試験を受ける

「大学・短期大学で教職課程を修了」「教員資格認定試験に合格」を経て無事に教員免許を取得したら、いよいよ教員採用試験を受けることになります。

教員採用試験に合格すれば夢の学校教員へ一歩近づきますが、公立と私立では採用までの流れが異なる点には気を付けなければいけません。次に公立と私立における教員採用スケジュールをそれぞれ紹介します。

※教員採用試験の受験資格は「普通免許」のみのため特別免許状は対象となりません


公立の教員採用スケジュール

公立の学校で働くことを目指す場合、毎年実施されている教員採用試験を受けます。スケジュールについては各都道府県の教育委員会によって異なりますが、一般的に募集要項が配布されるのは3月下旬から5月下旬ごろです。時期をほぼ同じくして願書の提出(6月中旬ごろまで)も開始されるため、早めに受験する予定の教育委員会のホームページなどをチェックしておきましょう。

願書を提出したら、6月下旬から7月下旬ごろにかけて一次試験が行われ、合格者は8月中旬から9月中旬ごろに行われる二次試験に挑みます。二次試験の結果発表は、早いところでは8月下旬から行われ、遅いところでも10月中旬ごろです。合格者は採用候補者名簿に登録され、面接を経た後、3月中旬ごろまでに赴任校が決定します。


私立の教員採用スケジュール

私立学校で働く教員を目指す場合は、公立の教員採用試験を受ける必要はありません。私立学校の教員は学校を運営する法人で雇用されるため、一般企業の採用試験を受けるようなイメージです。募集要項の配布から採用試験のスケジュールまでそれぞれの学校によって異なるため、志望校の過去の採用情報を事前に集めておきましょう。

ただし私立学校の場合、教員の数が十分であれば新たに募集をかけないケースもよくあります。基本的には欠員の補充という募集が多く、採用試験があったとしても数名程度しか採用されないことが一般的です。


小学校の先生になるには

小学校の先生として働くには小学校教諭免許が必要です。小学校教諭免許は短大や大学、大学院に加えて通信教育や科目履修生制度でも取得可能です。

また教員資格認定試験に合格するという方法もあり、中学や高校の教員として働くより、取得する手段は多くあります。免許を取得したら教員採用試験を受けて合格すれば先生として働けるようになります。

小学校では基本的に担任が全ての科目を教えることになるため、さまざまな科目をバランス良く教えられる指導力と、クラスをまとめていくリーダーシップといった能力が問われます。
また、クラス担任と生徒たちが一緒に過ごす時間が長いことから、双方向でのしっかりとしたコミュニケーションを取らなければいけません。

特に小学校では子どもたちがまだ小さいこともあり、ルールやマナーといった社会的な知識を十分に理解していない生徒も多くいるのが特徴です。
小学校の先生は学習面だけでなく生徒の生活面でも大きな影響を与える存在であるため、一人ひとりの状況をよく観察して指導する柔軟性が求められます。


中学校の先生になるには

中学校の先生として働くには、原則として中学校教諭免許が必要です。ただし中高一貫校で働く場合には、高校教諭の免許が必要になるケースもあるため気を付けましょう。
中学校からは教科別に免許が分かれるため、自分の好きな科目を教えられるのが特徴です。

教科は「国語、社会、数学、理科、外国語(英語、ドイツ語等)」のいわゆる5教科から、「音楽、美術、保健体育、保健、技術、家庭」といった教科まで幅広くあります。他にも「職業、職業指導、職業実習」や「宗教」といった教科もあるため、自分が担当したい教科を事前によく確認してから免許取得の準備を始めることが重要です。免許を取得した後は小学校の先生と同様に教員採用試験を受ける流れになります。


中学校の先生として働く際に気を付けておきたいのは、「部活指導」です。一般的に中学校から本格的な部活が始まるケースが多く、顧問になった際は土日出勤が当たり前になる可能性があることは理解しておきましょう。また子どもたちも思春期を迎える時期であるため、コミュニケーションを取るときはちょっとした変化にも気付いてあげられるような気配りが必要です。


高校の先生になるには

高校の先生として働くには高校教諭免許が必要ですが、注意しなければいけないのは高校で教える教科は中学よりも専門性が高くなるため2種免許状がない点です。

つまり、普通免許状なら4年生大学を卒業して取得できる一種免許状か、大学院を卒業して取得できる専修免許状のいずれかを取得しなければいけません。基本的に短大卒では高校の先生になれないことは理解しておきましょう。

高校も中学と同様に免許は教科別に分かれますが、さらに細分化されているのが特徴です。定番の「国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語(英語、ドイツ語等)」や「音楽、美術、工芸、書道、保健体育」はもちろんですが、「水産」や「福祉」「農業」など実際に働くことを意識した教科も増えています。

義務教育だった中学までと比べて、高校では勤務する学校によって学習レベルも異なるため、学校の雰囲気や生徒の理解度に合わせて教える内容を調整する能力が必要です。


社会人から先生になるには

社会人から先生を目指すパターンは、主に「教職課程のある大学に入学する」「通信教育や科目履修生制度を利用する」「特別免許状を取得する」の3つです。これまでまったく教員を目指したことがなく、必要な単位を取っていない場合は、教職課程のある大学に入学して一から勉強し直すほうがよいでしょう。

教員は簡単な仕事ではないため、実際に働くことを考えると基礎的な知識をしっかり学んでおいたほうが無難です。

しかし大学では昼間に講義が行われることが多いため、仕事を退職したり休職したりしなければいけない場合も多くあります。その結果、収入が減って生活に困ったり学費を支払うことが難しくなったりするかもしれません。そうした場合は通信教育や科目履修生制度を利用して、効率良く教員免許を取得するのも一つの方法です。


社会人として特別な知識や経験を有しているという自負がある場合には、特別免許状の取得を目指す方法もあります。取得する際には都道府県の教育委員会から推薦を受ける必要があり、手続きに時間がかかる点には気を付けなければいけませんが、大学に通うよりも短期間で教員になれるケースもあります。
授与件数が増加傾向にあるのも追い風となっているため、自信がある人は特別免許状の取得を目指してみるとよいでしょう。


今からでも先生になる夢は叶えられる!

先生になるには基本的に教員免許が必要ですが、取得する方法は一つではありません。過去に大学で専攻した分野や取得した単位によっては、よりスムーズに教員免許を取得できる場合があります。

学校や地域によっても異なりますが、教員採用試験の年齢上限は59歳以下としている自治体が多く、決して間口は狭くありません。
社会人として働いている人でも教員を目指せる可能性は十分にあるため、学校の先生になるという夢を持っている人は諦めずにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。


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