セミナーレポート

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2015.10.04

私立各校の教員採用責任者に聴く~採用のポイントはここだ!私立ならではの特徴ある学校編~

平成27年10月4日(日)開催
教員人材センター キャリアビスタセミナー

穎明館中学高等学校
副校長 橋本 好広先生(以下 穎明館 橋本先生)

東京都八王子市の高尾から10分で、自然に恵まれています。創立30年を迎える共学の進学校です。高校募集はない為、完全な中高一貫校です。

生徒数は1135名で、男子が多いですが、穏やかでゆったりしている生徒が多く男女が仲良く協調的です。

近年は国際社会へ貢献出来る人材の育成に力を入れており、海外体験学習を行っています。高校1年生ではカナダホームステイを行っており、こちらではUSAのブッシュスクールと提携校になりました。また、今年からは英国のイートンカレッジのサマープログラムに希望生徒を20名程派遣しました。

穎明館中学高等学校 HP

サレジオ学院中学校・高等学校
教頭 佐藤 徹郎 先生(以下 サレジオ学院 佐藤先生)

横浜市都筑区にあるカトリック系ミッションスクールです。19世紀イタリアのドン・ボスコ神父が、教育を受けられない貧しい子供たちの為に学校を設立したことに始まります。

1960年に目黒サレジオ中学校として設立され、1995年に現在の場所に移転しました。生徒数は中高合わせて1080名程です。

勉強・スポーツをバランスよく行い、意欲的な生徒が多いです。

学校教育の基本は、豊かな心を持つ「人」の育成にあると考えています。そのため、ドン・ボスコが実践した「アシステンツァ」という、生徒に寄り添い、日常変化を重視する教育を行っています。

また近年は国際人として活躍できるための基礎として、海外文化に触れる機会を増やしています。普段の授業においては、ネイティブ講師を2人入れ、TTの授業を行っています。

課外活動では、イタリア研修・フィリピン語学研修・カナダホームステイを実施または予定しています。将来的には交換留学を考えております。

サレジオ学院 HP

桐蔭学園中学校・高等学校
教務部長 山本 亨 先生(以下 桐蔭学園 山本先生)

「自主性」や「独自性」を発揮すべく、公立校では達成できないオリジナリティを各学校が打ち出せるという点が大きいと思います。従来からのシステムとして行われている一貫教育や男女別学はもちろんですが、コース制やカリキュラムなどの独自性を出し、将来に向けての教育をすることが可能です。

教員は、系列校への配転などを除くと基本的には同じ学校で継続して働くことが出来るので、各年度の経験を次年度に生かせることが大きなメリットといえると思います。

桐蔭学園 HP

=パネルトーク開始=
― 先生方が思う私学の特徴は何でしょうか?

穎明館 橋本先生

まず挙げられるのは建学の精神、教育理念に基づいた特色ある教育活動を行っていることです。

穎明館の建学の精神はExperience(経験)、Morality(道徳)、Knowledge(知識)の3つを教育の柱とし、新しいリーダーの育成を目指しています。”穎”という文字は、“するどい”という意味を持っていまして、するどく優れた資質を持ったリーダーを育てていこうという意味が込められています。この穎という文字は、本校の教学の祖に当たる堀越修一郎が、明治維新後に創刊した『穎才新誌』という自由投稿の週刊誌から取っています。国際社会と言われる今日、この教学の祖の精神を受け継ぎ、21世紀を展望した新しい学校づくりを意図して、穎明館中学校・高等学校を創立しました。

次に弾力的なカリキュラムによる充実した授業を行っていること、そして卒業生が学校の宝であり、教師と卒業生、卒業生同士の結びつきが強いということです。異動が少ないということもありますが、卒業生がよく学校に訪ねてきます。そういった点も私学の特徴だと思います。

サレジオ学院 佐藤先生

創立の理念に基づき、変わらぬ教育目標のもと、教員が一人ひとりの生徒に向き合って歩んでいけることです。教育とはただ知識を伝えるというだけではなく、全人格的成長を手助けすることであり、人生を歩む上での「価値判断の基準」を学ぶということです。

その面で、宗教や社会正義など、それぞれの私立学校の存在意義があると考えます。

サレジオ学院ではキリスト教の価値観に基づいた教育を行っており、私立学校では、そういった個性を伸ばすことが出来ます。

桐蔭学園 山本先生

「自主性」や「独自性」を発揮すべく、公立校では達成できないオリジナリティを各学校が打ち出せるという点が大きいと思います。従来からのシステムとして行われている一貫教育や男女別学はもちろんですが、コース制やカリキュラムなどの独自性を出し、将来に向けての教育をすることが可能です。

教員は、系列校への配転などを除くと基本的には同じ学校で継続して働くことが出来るので、各年度の経験を次年度に生かせることが大きなメリットといえると思います。

― 貴校ではどんな教員を求めていますか?

穎明館 橋本先生

まず、コミュニケーション能力があり、多様な生徒や保護者に柔軟に対応できる教員です。

次に、柔軟性・バランス感覚に富み、「チーム穎明館」の一員として仲間意識を高められる教員です。

最後に、やはり授業力です。カリスマ的でなくても、学校に合わせて指導できる力が必要です。

サレジオ学院 佐藤先生

まず、一般社会人としての力が必要です。しっかりと歩み、大人として地に足をつけることが大前提です。

また、教室にネット環境があるので、コンピューターの操作知識がある方が仕事の範囲を広げられます。

そして、本校はミッションスクールなので、キリスト教の価値観に同感し、その価値観に基づいた指導をするべく努力してくれる先生、アシステンツァを大切にし、生徒を理解しアドバイスすることを喜びと出来る方、一つ一つ誠意をもって答えられる方を求めています。授業力は当然必要です。

桐蔭学園 山木先生

大きく4つあります。

一つ目は全ての面において意欲的に取り組める方。上手くいかない時も乗り越える力が必要です。

二つ目は進学校として教科のプロ意識を持ち、大学入試の問題が解けて教えられるような方。

三つ目はパソコン操作がある程度できる方。高度な操作は求められませんが、試験問題の作成もあるので、ワープロやExcelの操作が必要になってきます。

四つ目は声が大きく、教室の後ろまでよく通る方です。

― 教員を目指す方へメッセージをお願いします。

穎明館 橋本先生

働くということは、出会い、タイミングなどの縁が大切です。今働きたいところが必ず募集しているとは限りません。私もたまたま声をかけられた学校で、現在こうして働き続けています。

みなさんも声をかけられたり何かしらの縁があった学校は大切にして頂きたいと思います。またもし不採用になった場合も、みなさま自身がダメなわけではなく、その学校とは合わなかったのだと考えて頂ければと思います。

私立学校はお互いライバル関係ではありますが、教育に対する同志でもあります。みなさんと学校という場でお会いできることを楽しみにしています。

サレジオ学院 佐藤先生

様々な仕事がありますが、「学校」は美しいこと、きれいなこと、正しいことを伝えていく場所だと思います。決して大人のダメなところを伝える場所ではありません。

また在校時、先生によく近づいてくる生徒がいますが、生徒自身の損得感情で近づいてくることがあります。しかし、卒業後に会いに来る生徒はそうではありません。卒業の生徒は在校時に何か大切なものを得たからこそ、会いに来るのです。

是非皆さんもそのようなことを伝えられる先生を目指してください。

桐蔭学園 山木先生

初めて教壇に立つ、新しい学校で働くこと、不安になることは当然だと思います。しかし、その不安が前面に出るようではいけません。「先生になろう」「この学校で働こう」という志望動機や熱意があれば不安を軽減・消すことができます。ぜひその時の気持ちを忘れずにいて頂きたいです。