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一覧へ戻る私立と公立何が違うの?~元都立中高一貫校校長(現私立中高一貫校校長)から伺う私立学校の特徴·後半~
平成26年10月26日(日)開催
教員人材センター キャリアビスタセミナー
― 採用方法について伺います。
星野先生(文教)
今年で3回目の採用になります。定年は65歳で3年後までの計画が立っています。夏休み頃までに専任教諭は公募します。12月までにいろんな分掌を早めに決めて講師の先生の必要数を決めます。私立はある程度教員を選ぶことができ、かつベテランの教科指導ができる先生など、その都度必要な人材を集めることができます。そのためいろんなところにアンテナを立てて採用しています。都立は嫌な教員でも押し付けられることがあります。
若干失敗もありますが、人間本位で採用していますので、面接を重視し、筆記試験は行いません。
須藤先生(白梅)
予め分かっている欠員は夏休み前に公募します。出産ラッシュで欠員が生じたり、大学や海外の大学に行ってしまう人もいるので10月頃もう一度公募をかけます。専任教諭、常勤講師は1次の書類審査である程度絞って、2次で学力検査・論文試験を行い、3次で模擬授業と面接を行います。間違いの無い人材確保のため丁寧に行っています。非常勤の場合には論文を省略し、基礎学力と面接でチェックします。
― 面接ではどこを見ていますか。
星野先生(文教)
先ほどの補足ですが部活動との兼ね合いも考慮して採用している部分もあります。履歴書に特技は絶対に書いたほうがいいです。その学校が今求めていることにひっかかることもあります。
以前は筆記学力重視で失敗もあったので、今は面接の質問で教科に関わることも聞いています。教科担当も共に面接を行うので質問で教科の知識はなんとなくわかります。講師の場合には冬休みぐらいに時間割などを決め、1月中に採用できるよう動いています。相当数の応募が来るので、書類選考は経験を優先しています。面接でも書類でも教えることに意欲があるのが大事です。
須藤先生(白梅)
ベテラン・中堅・新卒で求めるものが違いますが、自分のよさを発揮してほしいと思います。得意な部分に期待しています。ベテランの方の場合は若手への指導ができるかも見ています。仮にベテランの講師の場合でも若手を感化する影響力等も見ています。自分の売りをはっきり出してほしいです。誰にでもあると思います。
― 教員を目指す方へメッセージをお願いします。
星野先生(文教)
子ども達と一緒に過ごすことが好きで無ければ教員はやめたほうがいいです。また先生方と一緒に長い時間歩んで行かなければならない、長いサイクル一緒なので嫌なこともあります。人を好きでなければやっていけません。協調性、場の空気を読み、そのように自分を磨いていく必要があります。身体が丈夫なこと、体力も重要項目です。かつ本人の意欲も大事です。できることは今からでもやっていく、頑張って下さい、期待しています。
須藤先生(白梅)
教員は人間相手の仕事ですから、コミュニケーション能力が非常に大事になります。
あるカナダのバスケットボール選手が引退の理由として「バスケが仕事だと思えてきたから辞めた」と言っていたように、仕事としてではない教育愛と相手を尊重する心も教員には必要だと思います。
都立の場合は調査・評価が多くそのため余計な仕事が増え、役所みたいな仕事になることもありますが、私立では本来の教育活動に全力で力を入れることができます。
― 以上でパネルトークを終わりにいたします。先生の皆様、貴重なお話をありがとうございました。
<参加者からの質問>
一般企業から教員として勤務されている方はいらっしゃいますか?
星野先生(文教):2名おります。どちらも英語科教諭です。
須藤先生(白梅):います、受験産業(塾·予備校講師など)や金融からの転身組がいます。とてもよくやってくれています。
(須藤先生(白梅)へ)
採用試験の筆記試験はどのような問題(どのようなレベルのもの)が出題されますか?
須藤先生(白梅):主に、教育学関係の学者(大学教員)の著作から、テーマ性のあるものを2000字から3000字程度抜粋して読ませ、それについての考察を1500字~2000字程度で書いてもらっています。採点は、私(校長)が直接やります。また、この小論文は面接でも活用しています。