セミナーレポート

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2014.09.28

私立各校の教員採用責任者に聴く~採用のポイントはここだ!“①学校紹介~書類選考編”~

平成26年9月28日(日)開催
教員人材センター キャリアビスタセミナー

講師・学校紹介

かえつ有明中・高等学校
副校長 石川 一郎 先生(以下 かえつ 石川先生)

本校は東京都江東区の有明にあり、最寄り駅はJRりんかい線「東雲駅」、東京メトロ(有楽町線)「豊洲駅」です。嘉悦女子を共学化し、移転して9年になる学校です。

本校の教員構成は専任教員が約60名、非常勤講師が約40名です。

かえつ有明中・高等学校 HP

<教員採用の流れ>

専任は早めに募集を開始し、非常勤は1~2月になります。毎年2~4名を採用しています。

1次選考:書類選考

2次選考:副校長面接

3次選考:模擬授業

4次選考:法人面接

東京都市大学等々力中学校・高等学校
教頭 落合 敏郎 先生(以下 等々力 落合先生)

本校は東京都世田谷区等々力にある学校で、最寄りの駅は東急大井町線「等々力駅」です。2009年に校名変更・付属校化し、2010年に共学校となり現在に至ります。東急グループの学校法人五島育英会が運営しており、長野にも学校があり、教員は法人で一括募集をしています。

共学校となり5年経ってもさらに改革の手をゆるめず、改革の第2ステージを加速して進めています。

本校の教員構成は現在専任が56名、非常勤が34名、男性55名、女性35名です。

パンフレットに等々力の教育プログラムを掲載していますが、その全てを一人で成し遂げることは不可能です。応募する学校のパンフレットやHPをよく読んで、自分ならこれはできるというものを主張して下さい。

理科の授業はSSTにより中1中2の授業は座学無しの全て実験で行っています。我こそは理系学部、我こそはこういう実験ができると主張してくれれば期待します。

一点集中、これが書いてある方にお会いしたくなります。

東京都市大学等々力中学校・高等学校 HP

<教員採用の流れ>

採用人数は年ごとに変わりますが、7月から主に専任教諭の募集を行い、11月からは主に非常勤講師の募集を行います。非常勤は学校ごとに採用し、専任は法人で採用を行います。

1次選考:書類選考

2次選考:面接

3次選考:模擬授業

4次選考:法人面接

広尾学園中学校 高等学校
副学園長 池田 富一 先生(以下 広尾 池田先生)

本校は東京都港区南麻布にあり、最寄り駅は東京メトロ(日比谷線)「広尾駅」です。創立から96年になります。創立には板垣退助、夫人の板垣絹子が深く関わっています。一族経営の学校ではありません。

平成19年に校名変更、共学化し、インターナショナルコースを設置しました。英語パンフレットを作っているのは受験生向けであると同時に、海外の大学が来校してくれる機会が多くあるため、その時に渡す目的もあります。

4年前には医進・サイエンスコースを設置し、現在は本科コース、医進・サイエンスコース、インターナショナルコースの3コースがあります。

外国人の先生も専任で14名おり、担任や部活動の顧問も行っています。これも特徴の一つです。

教員は131名、内専任が7割、非常勤が3割です。

広尾学園中学校 高等学校 HP

<教員採用の流れ>

採用人数は数年前までは多くしておりましたが、現在は各教科1~2名、専任募集には各教科20~30名の応募があります。10月以降にHPで採用情報を掲載いたします。専任・常勤・非常勤全て同じ時期に募集を行います。通過するハードルが専任は高くなります。

1次選考:書類選考

2次選考:筆記試験

3次選考:模擬授業・面接

4次選考:理事長面接

専任教員は教科指導、校務分掌、クラス運営のバランスが取れている方、加えて一つ特化しているものを持ち、かつ、熱意・自信のある方を採用しています。

=パネルトーク開始=
― 書類選考の際の見るポイントを教えて下さい。

広尾 池田先生

書類から伝わる熱意と経験を重視します。教員経験がある方はその職歴、経験の無い新卒の方は学歴や大学、大学院で何を学んできたか、塾のバイト経験なども考慮します。一般企業の方は一般企業で何をしてきたのか、その経験も見ます。また、学園に入職した後、どのような自己実現を目指しているか、何をしたいのかも大事なポイントです。

等々力 落合先生

ポイントは3つあります。

1つ目は教科における専門性、英語科であれば留学経験やTOEICなどの資格も見ます。

2つ目は特記事項、部活動や特別活動などへの適性を見ます。学校の特色の理解度も重要です。

3つ目は理想をどれだけ自分の言葉で熱く語れているかを見ます。

かえつ 石川先生

新卒、院卒の方であればどんな研究をしてきたか、社会人の方であれば社会人経験を見ます。履歴書では学歴ももちろん確認しますが、中学・高校も見ています。また写真も重視しています。履歴書の写真がいいかげんだと、実際とは異なっていてもいいかげんという印象がついてしまうので写真も気をつけて下さい。

履歴書では様々なことを記入してもらいますが、小さい字でぎっしり書くのはNGです。読みやすく1枚の中で整理して伝えられるようにして下さい。

社会科では300通から400通の応募書類が届きます。そのうち9割は書類で落ちます。これだけの数がくると1枚1枚隅々まで見ることができないこともあります。大学で何を勉強してきたかなどアピールポイントは誰が見ても読み取れるように、整理してわかりやすく書かれていることが重要です。

― 履歴書とは別の用紙でPRをされる方はいますか。

広尾 池田先生

履歴書とは別に職務経歴書又は別紙を同封してくる方も多いです。送っていただいた書類はきちんと読みます。ただし、細かい字で多く書かれていると読みきれない時もあります

等々力 落合先生

多くいらっしゃいます。活動歴をせつせつと訴える方もいます。一字一句読みますが、誤字脱字のある方はマイナスです。書くなら校正もしっかり行い間違いの無いようにして下さい。学校によっては指定の書類以外は求められない場合もあるので採用担当者に許可を取るのも大事でしょう。

― 筆記試験について伺います。

等々力 落合先生

基礎学力及び専門的な力がどれぐらいあるかを見ています。中学入試レベルから東大の入試問題をアレンジして出題する場合もあります。学生時代に使っていた中高の教科書や赤本等が手元にあると準備ができると思います。

広尾 池田先生

教科により若干異なりますが、旧帝大レベルの入試に近い問題を出題します。本校では東大をはじめとした難関校を受験する生徒が多いため、その筆記試験問題で6割から7割は取ってもらいたいです。たとえ間違っていた場合でも、間違え方も見ています。そのため点数が低くても間違い方を考慮する場合があります。

②面接~模擬授業編に続きます