教員採用試験では「どうして教員を志しているのか」を志願書に書いたり面接で聞かれたりします。この志望動機をどれだけ明確にしてきちんと伝えられるかは、採用試験突破において重要なポイントです。
本記事では教員採用試験で求められる志望動機についてまとめました。志望動機に必要な要素や例文、採用面接の流れなども解説します。教員を目指している方は、ぜひこの記事を参考にして自分なりの志望動機を作り上げましょう。
教員の採用試験では志望動機がとても重要になります。面接官は「どうして教員になりたいのか?」という質問を通して、あなたがどういった理想の教員像を持って教員を志しているのか、そして学校側が求めている人材にあなたがふさわしいのかを見極めているからです。
面接官が「あなたのような人に教員になってもらいたい」と納得するような志望動機を用意しておくことは、教員採用試験を突破するためのアドバンテージとなります。
志望する側も、志望動機は教員という仕事への熱意を伝えるチャンスです。他の志望者の志望動機に埋もれてしまわないようにあなたなりの熱意を明確に伝え、教員採用の狭き門をくぐり抜けましょう。
どんな仕事の採用試験でも志望動機は求められますが、教員の志望動機にはいくつか必要な要素があります。志望動機を考えるときは、これから紹介する要素が含まれているかをチェックしながら考えてみましょう。
まず必要なのは教員を志すようになったきっかけです。あなたが教員になりたいと思ったきっかけを、エピソードを交えて考えてみましょう。どういった経験をして、なぜ教員を目指したいと思ったのかを明確にします。
きっかけは小中高時代の経験や教育実習の経験、アルバイトなどの経験など様々です。これらの経験のどんな出来事などが自分の「教員になりたい」と思える刺激になったのか、振り返ってみましょう。
また、きっかけは志望動機の一部です。現在子どもと関わる仕事や学校に関わる仕事は多くあります。その中で教員を選んだ理由も合わせて考えるといいでしょう。
志望動機では自己分析してわかった自分の強みと弱みを含めることも重要です。自分の強みがわかっていれば、その強みを教員としてどのように生かせるかアピールできます。学生時代にスポーツに打ち込んだという強みがあれば、部活動の顧問として指導ができるというアピールになるでしょう。
弱みは一見ネガティブポイントに思われますが、その弱みをどう克服してどういう教員を目指したいかを伝えることで、向上心をアピールできます。弱みを強みに変えるにはどうしたらいいのか、そしてそれが教員としてどう生きてくるのかを含めて考えてみましょう。
これから教員になってどんな指導をしていきたいかという「教員観」を含めることも大切です。志望動機はどうしても「過去の経験」を軸にしてしまいがちですが、あなたがどんな教員を目指しているかという未来に関しても、面接官はチェックしています。あなたの持つ教員観が教員としてふさわしいのか、また採用先で求められている人材に当てはまるのかなどを判断されますので、自分なりに子どもたちにどんな指導がしたいのかを考えてみましょう。
理想の教員像も「どのように教育したいか」と同じく大切な要素です。「子ども達一人一人と向き合える教員になりたい」「得意を伸ばしてあげられる教員になりたい」など、それぞれに理想とする教員像があるのではないでしょうか。どうしてそう思ったかの理由も付け加えて、自分なりの理想の教員像をイメージしてみましょう。
面接試験はどれだけ準備をしていても緊張するものです。流れを理解して、しっかりシミュレーションしておきましょう。
受験番号順に指示がありますのでそれに従って、面接会場に入室します。入室したら自分の名前と受験番号をはっきり伝えましょう。「着席してください」という指示のあと、背筋を伸ばして椅子に座ります。ここでのマナーや表情は第一印象となります。
まず最初に緊張をほぐすため、ウォーミングアップのような質問があります。
「緊張していますか?」
「昨晩はよく眠れましたか?」
などの日常会話のような質問です。落ち着いてハキハキと答えましょう。
志望動機や受験する自治体、今までの学校生活での経験やアルバイトの経験などが聞かれます。よくある質問をいくつか紹介します。
●本県の採用試験を受験した理由について聞かせてください。
●教員になったら最初に何をしたいですか。
●理想の教員像を教えてください。
●保護者からクレームがあった場合どうしますか。
●いじめについてどう対処しようと考えていますか。
●部活動のガイドラインについての考えを聞かせてください。
全ての質問が終了したら、面接官の指示に従って退室します。しっかり挨拶をして退室しましょう。
面接では社会人としての最低限のマナーも求められています。教員としてふさわしい人材であることを示すために、以下の3つのマナーは押さえておきましょう。
話し方は必ず「ですます調」を使用し、正しい敬語が使えるようにしておきましょう。間違いやすい二重敬語に関しても学んでおくと安心です。「あのー」「えーっと」「まあ」など話の間に口癖が出てしまう人は、意識して使わないようにします。また一人称は「わたし・わたくし」が自然に出るように練習しておきましょう。
面接で積極性は大切ですが、積極性を押し出しすぎるのは「でしゃばっている」と見られてしまいかねません。協調性も求められますので、控えめな部分も見せつつ熱意を伝えるようにしましょう。面接官からの質問には即座に答えるのではなく、一呼吸おいて答えるようにしてください。
人は見た目が全てではありませんが、採用面接の場では見た目で判断されてしまいます。誰が見ても清潔感がある身だしなみを心がけてください。自分の個性は面接の内容でアピールしましょう。
最後に教員を志望する人に知っておいて欲しい面接試験のポイントを紹介します。
同じ教員でも小学校・中学校・高校によって面接の傾向が変わってきます。これは学校ごとに子どもたちとの関わり方が異なるからです。
例えば小学校は、全ての教科を指導して、クラスの児童と深く関わることになります。また小学校は心を育てるために重要な期間ですから、どのように児童と接するのか、そのためにどんな取り組みをするのかなどが聞かれます。
自分が目指す学校の傾向を把握して、面接対策をするようにしましょう。
私立の学校は公立学校と異なり、学校ごとに独自の校風があります。私立学校の教員を目指す場合は、ホームページなどで学校の校風や教育方針などをチェックしておきましょう。学校側は先生としてふさわしい人材かだけでなく、あなたが学校の校風とマッチしているかもチェックしています。
面接では志望者の人柄に関する質問が半分程度、教育に関する質問が半分程度あります。教育に関する質問にもさまざまなものがありますが、軸となる「教育とは何か」について自分なりの言葉で説明できるようにしておくと、教育に関する質問に対応しやすくなります。教育の定義はさまざまですが、色々な文献に触れて噛み砕き、自分の言葉にしておきましょう。
教員採用試験ではさまざまな試験が行われますが、面接試験は大きなウエイトを占めています。またその中で志望動機は面接官がもっとも聞きたい質問です。今回紹介した志望動機の要素や例文を参考にし、自分なりの志望動機を考えてください。たくさんの志望者がいるなかで、面接官の心に残るような志望動機を伝えることができれば、きっと自分の望んでいる成果をつかむことができるでしょう。
教員人材センター編集部
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