生徒の進路に大きくかかわる高校の先生になるには?中学との違いも解説

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生徒の進路に大きくかかわる高校の先生になるには?中学との違いも解説
中学校とは異なり進路指導が主となる高校では、教員は生徒の将来に大きく関わる立場です。そんな高校の教員として働くためには、高校の教員免許を取得した上で採用試験に合格する必要があります。

今回は、高校で働く教員になるための方法や公立高校と私立高校で働く場合の違い、高校の教員の仕事内容などについて解説します。

高校の先生になるためには教員免許が必要

高校の教員免許は教育機関の種類によって分かれており、高校の教員になるためには「高等学校教諭免許状」を取得しなければなりません。高校の教員免許を取得するには、大学または大学院の教職課程へ進学するのが一般的な方法です。教員免許は教科別となっているため、進学する前にどの教科を担当したいのかを決めておく必要があります。

高校の教員免許の種類は、大学や大学院へ進学して取得できる最も一般的な普通免許状、教員免許取得者以外に都道府県教育委員会などが授与する特別免許状、教員免許所持者を採用できない場合に都道府県教育委員会などが授与する臨時免許状の3種類です。

普通免許状は「高等学校教諭一種免許状」と「高等学校教諭専修免許状」の2種類で、短大卒相当にあたる二種免許がありません。つまり、小学校や中学校の教員免許とは異なり、短大卒で高校の教員免許は取得不可能です。

高等学校教諭一種免許状を取得

普通免許状のうち、高等学校教諭一種免許状は4年制大学卒にあたります。高校の教科は中学校より細分化されており、より専門的な教育を行うことが求められます。
一種免許状を取得するために必要な単位数は、教科に関する科目が20単位、教職に関する科目が23単位、教科又は教職に関する科目が16単位、体育や外国語コミュニケーション、情報機器操作などのその他8単位の合計4種類67単位です。

高校の社会は公民と地理、歴史の3種類があるため、免許状は「地理歴史」「公民」の2種類に分かれています。大学によっては、2種類両方の免許状を取得できる学部もあるので、社会を教えたい場合は地理歴史と公民どちらも取得できる学部や学科を選ぶとより教えられる幅を拡げられるのでおすすめです。

高等学校教諭専修免許状を取得

高等学校専修免許状は、大学院卒にあたる免許状です。大学院を卒業して取得するほか、一種免許状を取得後に3年以上教員として働き、大学で所定の単位を修得することでも取得できます。

専修免許状で教えられる教科は、一種と同じ国語や数学、理科や地理歴史などがあります。

教員免許の取得後は採用試験に臨もう

教員免許の取得のみでは、高校で教員として働けません。高校で働くためには、教員採用試験に合格する必要があります。教員採用試験には公立高校と私立高校の2種類があり、応募方法やスケジュールなどが異なるので、どちらの高校で働きたいかによって教員免許後の対応も異なるため注意しましょう。

公立高校の教員採用試験は各自治体で行われるもので、それぞれの自治体で教員採用試験に合格することにより教員採用候補者名簿に登録され、その後の面接などを経て高校教員として働けます。公立高校の教員採用試験のおおよその流れは、3~5月頃に出願をし、6~7月頃に1次試験、8~9月頃に面接や実技を行う2次試験があり、10月に合格発表となります。教員採用試験については、「教員採用試験とは?難易度が高いといわれる理由と対策を解説」もご参照ください。

私立高校で働くための採用試験は公立高校と内容に大きな違いはありませんが、毎年必ず行われるわけではなく、教員になる方法にもいくつかの選択肢があります。その方法については、次の項目で詳しく解説していきます。

私立の高校の先生になる場合は?

私立の高校の先生になる場合は? 公立高校の教員採用試験は自治体ごとに行われますが、私立高校の採用試験は学校単位で行われる点が大きな違いです。また、採用試験の時期も特に定まっておらず、随時求人募集があります。そのため、私立高校の教員になる方法も、公立高校とは異なります。

私立高校の教員になる方法は、大きく分けて3種類です。
1つは、私立中学高等学校協会に履歴書を登録する「スカウト型」です。この方法では履歴書の情報が私立高校に共有されるので、学校側からスカウトが来る可能性があります。

2つ目が、一般企業への就職と同様に自分で求人を探して応募する「応募型」です。私立高校の教員募集は時期が決まっていないため、1年を通して応募できるチャンスはありますが、志望する高校での募集がない限り、基本的に応募はできません。

そして3つ目の方法が、「マッチング型」です。就職エージェントなどに登録をすることで、教員を募集する学校側と教員志望者をマッチングしてくれる仕組みで、就職エージェントのサイトに登録することで利用できます。

高校の先生の仕事内容

高校の先生の仕事内容 高校の教員の仕事は、まず担当教科の指導が挙げられます。学習指導要領に沿って1年の授業計画を立てますが、高校では中学校よりも専門的な内容となるため、高度な知識や専門知識のアップデートも求められます。授業で必要な問題やプリント、テスト問題作成も、教員の担当業務です。

担任を持った教員は、担当クラスの運営や生徒の生徒指導も行います。ホームルームを担当し、普段の学校生活に対する指導のほか、進路相談にも対応します。同時に、保護者との対応が発生し、三者面談などを通して生徒と保護者両方の悩みや相談を解決するのも、重要な仕事です。その他にも、部活動の顧問を担当した場合は技術指導なども行います。

「校務分掌」と呼ばれる学校そのものの運営や行事などに関わるのも、教員が行うべき業務の1つです。年間・月間行事の作成や時間割作成など、学校運営を円滑にするために重要な仕事といえます。

高校の教員の1日の始まりは早く、生徒が登校する8時前には出勤します。朝のホームルーム前に授業の準備や教職員の打ち合わせを終え、8時半頃から授業がスタートします。高校では給食がないため、昼休憩では好きな場所で昼食を取れるのが小学校や中学校との大きな違いです。ただし、昼休憩でも生徒の呼び出しや質問対応などの雑務に追われることもあります。

午後の授業が終わると職員会議や部活動指導、事務作業、場合によっては補修なども担当します。その後授業やテスト準備などを行うと、退勤は19~20時頃になることも少なくありません。

中学校の先生との違い

中学校と高校では教員免許の種類が異なりますが、共通点が多いことから両方の教員免許を同時取得している人が多いものです。とはいえ、実際の仕事内容は高校と中学校で働く教員には多くの違いがあります。そこで、中学校の教員と高校の教員の違いについて解説します。

義務教育ではない

中学校と高校で最も大きな違いは、義務教育かどうかという点です。義務教育である中学校までとは異なり、高校は進学の目的が生徒によっても変わってきます。必ずしもすべての生徒が学業を目標に進学しているとは限らず、就職を目標として進学する生徒もいるため、一人ひとりの生徒の目標に合わせた指導が求められます。
また、入試を経て生徒が集まっているため、生徒の学力の差が少ない点も高校の特徴です。

進路指導の重要度

中学校の進路指導はほぼ高校に限られますが、高校では卒業後の進路が多種多様です。そのため、高校では生徒の将来を見据えた進路指導が教員の仕事のメインの1つで、重要度も上がります。授業も生徒の進路に合わせて進められることがあることも、中学との違いです。
進学率が高い高校や偏差値の高い高校になるにつれて、進路指導が重要となります。

生徒との接し方

中学校よりも自主性を尊重することも、高校の特徴です。中学校までは学校行事の準備や企画なども教員が行うことが多いですが、高校ではつきっきりで生徒に接する機会が少なく、クラスやイベント運営の大部分を生徒にまかせる場面が増えてきます。生徒との接し方も中学校とは距離感が異なり生徒の自由度が高くなる分、度を超えた行動を起こされてしまった場合は生活指導の負担が増える可能性もあります。

生活指導へ注力する機会が減るため、学業をメインとした指導ができるのも高校の教員の特徴です。進路指導と併せて、生徒の生活面よりも学業により多く関わる点は、中学校の教員と異なります。

高校の先生の給料・年収

総務省のデータ(※)によると、令和3年度の諸手当を含めた公立高校教員の平均給与額は約56万円です。私立高校の給与は学校によって異なるため明確なデータはないものの、公立より月額1万円ほど高い程度で、私立と公立で給与の差はあまりないといえます。一般的な職種と比較すると、高校の教員の給与は高い水準にあります。

公立高校では残業代や休日出勤手当などが出ない分、教職調整額として給与の4%が支給されます。一方、私立高校では残業などの時間外手当が出ます。私立の給与が高いといわれるのは、この教職調整額と時間外手当の差が一因です。

高校の教員は給与水準が他の職種よりも高めですが勤務期間が長めで残業が多いことがあり、公立高校では部活動の顧問などを担当していても時間外手当が出ないため、業務内容と給与の高さをどう判断するかは人それぞれといえるでしょう。
※出典:R3_kyuyo_1_03-2.pdf|総務省

さまざまな経験や知識を生かして高校の先生を目指しましょう

教員採用試験では年齢制限を設けている自治体は少なくありませんが、近年は多様な人材の採用や氷河期世代の救済などを目的として、年齢制限を撤廃する自治体も増えてきました。

令和3年度の公立高校採用試験では、33都道府県、政令指定都市では14市で年齢制限を撤廃しています。新卒だけではなく過去に高校の教員を退職した方、または教員免許を持っていても教員として働いたことがない方でも、年齢制限が撤廃されたことにより採用のチャンスは増えています。

これまで得た知識と経験を活かして、高校で働く教員へチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
※出典:「教員採用等の改善に係る取組事例」6 受験年齢制限|文部科学省

びす太(KJC-01)

教員人材センター編集部

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