国語の先生になるには教員免許が必要ですが、教員免許にはいくつか種類があり、中学校や高等学校の国語の先生になるためには特定の免許の取得が必須です。
中学校の国語の先生になる場合と高等学校の国語の先生になる場合では必要な教員免許が違うだけではなく、進学する大学と履修内容も異なります。
本記事では、国語の先生になるために必要な教員免許の取り方や、国語の先生に向いている人の特徴、国語の先生に求められていることなどを解説いたします。
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目次
一般的なのは普通免許状で、一種・二種・専修の3種類があります。それぞれ「高等学校教諭一種免許状」や「中学校教諭二種免許状」のように呼ばれています。
教員免許状には10年の有効期限があり、全国の学校に適用されます。
免許状に記載されている有効期限満了日がくる前に教員免許更新講習を受ける必要があります。これは教員として必要な能力が保持されるように最新の知識や技術を身につけるため、2009年4月1日から導入された教員免許更新制によるものです。
四年制大学を卒業、つまり学士の学位を持っていることを基礎資格とした普通免許状です。教員のほとんどがこの一種免許状を保有しています。
中学校・高等学校どちらの教員にもなれる免許状です。
短期大学を卒業、つまり短期大学士の学位を持っていることを基礎資格とした普通免許状です。
こちらは、中学校の教員にのみなれる免許状です。二種免許状では、高等学校の教員にはなれません。つまり「高等学校教諭二種免許状」は存在しません。
大学院の前期博士課程を修了、つまり修士の学位を持っていることを基礎資格とした普通免許状です。現職の職員がランクアップのために取得するケースもあります。
国語の先生になるために必要なことを、中学校と高等学校の場合に分けて解説します。
中学校の国語の先生になるためには、どのようなことが必要なのでしょうか。
まずは教員免許を取得するためにも、四年制大学または短期大学にある教育学部の国語教育専攻または文学部の国文学専攻で単位を取得します。
ただし、中学校は義務教育であり、教科指導以外にも生徒と関わる場面が多くなることから、各自治体の教員採用試験でも教職教養が課されています。
教育学を学ぶ必要性が高いことから、教育学部出身者が取得しやすい傾向もあるようです。
国語の先生になるためには、中学校教諭一種または二種免許状(国語)を取得する必要があります。
公立中学校で教員になるには、各自治体が実施する教員採用試験を受験します。
採用試験を受けるには、中学校教諭免許状取得または取得見込みであることが必須です。また、自治体によっては、中学校の教員でも高等学校の教員免許を持っていないと受験できないケースもあるので注意が必要です。
私立中学の場合は、各学校が独自に実施する選考を受けて合格する必要があります。募集要項を見ながら個別に履歴書を送り、積極的に試験を受けて採用を目指しましょう。
高等学校の国語の先生になるには、どのようなことが必要なのでしょうか。
高等学校の国語教員になるには、教職課程が設置されている大学の教育学部で国語教育専攻または文学部の国文科専攻で教員免許を取得するのが一般的です。
大学院を卒業して専修免許を取得するのも1つの方法です。
教育に関する知識を深めたいなら教育学部、専門知識を深めたいなら教職課程のある学部への進学がおすすめです。
高等学校教諭一種免許状(国語)とともに中学校教諭一種免許状(国語)を取得すると、中高一貫の私立学校に就職したい場合に担当できる学年の範囲が幅広くなるため、採用で有利になるケースもあるようです。
公立高校の採用試験は、都道府県・指定都市の教育委員会などによって、筆記試験・面接・実技・模擬授業などの試験が行われます。
受験する場合は高等学校教諭一種免許状(国語)を取得済みもしくは取得見込み(大学4年生・大学院2年生など)であることが必須です。
知らなかったことを知る喜びや、できたという達成感、もっと学びたいという意欲を味わえる授業を行うには、授業の数倍の時間が必要なことも珍しくありません。
教えることが好きでなければ、難しいでしょう。
国語の先生には、特に文章校正力が求められます。生徒たちにしっかりと国語力を身につけてもらうためにも必要なスキルです。
多感な中高生と関わるには、相手に合わせて話ができる、相手が伝えようとしていることを汲み取れる力を持っていることが重要です。生徒たちの気持ちを大切にしつつ、指導や支援をするのに大切なスキルです。
国語の先生に限らず、教員になると教科指導以外にクラス担任、進路指導、部活指導などの業務も行います。
クラスの担任になると、クラス内の生徒とよりコミュニケーションが必要となります。
教科指導以外に学校のある日は毎日教室で授業前と後にホームルームも行わなければなりません。
進路指導には保護者との面談などもあります。
最近は保護者も仕事などでなかなか予定がつかず、学校で決められた面談期間内に面談が行えないケースも増えており、日程を決めるだけでも大変です。
担任になると、学校行事の準備もあります。定期テストや体育祭、文化祭、修学旅行など、1年中のほとんどを何かの行事の準備をして過ごすケースも珍しくありません。
1年間の事業計画を学習指導要領に沿って組み立て、授業で使用するプリントや定期テスト問題の作成・添削などの業務があります。
教員は学校の運営に関わる事務も担当する必要があります。
国語の教員は達筆のイメージが強く、校内の掲示物や表示などの作成を頼まれる機会も多くなります。
国語の先生が大変だと感じるポイントをまとめました。
高等学校では国語の授業が国語総合・現代文・古典など細分化され、それぞれ単位数も多いため、ほぼ毎日どこかのクラスで授業があります。
中学校でも主要5教科の1つであるため、コマ数は多くなります。
コマ数が多い分、試験範囲も広く問題作成や採点が大変です。
また、国語は記述式の回答も多いため、それぞれの回答をよく読んで採点する必要があるため時間がかかります。
高等学校の教員の場合などは大学受験に向けて小論文の練習や添削などを依頼されることも珍しくありません。
それ以外でも受験の志望動機や、さまざまな文章の添削を依頼されることがあります。
国語の先生になりたい人が今からでもやっておいた方がいいことをまとめました。
教員を目指している人を対象にした講座に参加してみましょう。同じ目標を持つ人が集まる場は刺激になりますし、情報収集にもおすすめです。
先生になるには教員免許を取得することが1番の近道ですから、試験対策の勉強をするのはとても効果的です。
また、教員免許を取得しても採用試験に合格しなければ教員にはなれません。公立の場合は毎年3〜4月に出願するため、大学生なら3年生の秋から対策を始め、4年生の夏に受験するケースが一般的です。これに合わせて今から準備をしておきましょう。
また様々なジャンルの本を読みましょう。国語の先生は授業以外でも多くの作品と関わる機会が多いです。読んだいる本の量がそのまま仕事に活きます。
教員採用試験には模擬授業もあります。実際に模擬授業や教材を作成してみるのもおすすめです。
実際に子供に教える経験を持つのは大切です。塾講師のアルバイトなどで子供と関わる機会を持ってみましょう。
中学校や高等学校の国語の先生になるには、大学の教育学科や文学部の教職課程を履修し、教員免許を取得して卒業するのが一般的です。
教員免許を取得したら、教員採用試験に合格することで教員になれます。
生徒たちが国語を学び新たな知識を得るサポートがしたい、生徒たちの成長をそばで見守りたいと教員の道を選ぶ人は多くいます。
今回解説したスキルなども参考に、ぜひ夢を実現させましょう。
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