数学の先生になるには教員免許が必要ですが、免許には数種類あって中学校や高等学校の数学の先生になるためには特定の免許取得が必須です。
しかし、自分は本当に数学の先生に向いているのか気になる人もいるでしょう。
そこで今回は数学の教員免許の取り方と、数学の先生に向いている人の特徴、実際に教員になってからの仕事内容などについても合わせて解説いたします。
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目次
数学の先生になるには、教員免許(正しくは教育職員免許状)を持っていることが必須です。
一般的なのは普通免許状です。一種・二種・専修の3種類があり、それぞれ「高等学校教諭一種免許状」や「中学校教諭二種免許状」のように呼ばれます。
教員免許には全国の学校に適用されますが、10年の有効期限があります。
10年以降も教員を続ける場合は免許状に記載されている有効期限満了日がくる前に、教員免許更新講習を受ける必要があります。
これは教員として必要な能力が保持されるように最新の知識や技術を身につけるため、2009年4月1日から導入された教員免許更新制によるものです。
一種免許状は、四年制大学を卒業(学士の学位を持っている)することを基礎資格としています。教員のほとんどが保有しているのが、この一種免許状です。
中学校・高等学校どちらの教員にもなれる免許状です。
二種免許状は、短期大学を卒業(短期代学士の学位を持っている)していることを基礎資格としています。
中学校の教員にのみなれる免許状で、二種免許状では高等学校の教員にはなれません。つまり「高等学校教諭二種免許状」は存在しません。
専修免許状は、大学院の前期博士課程を修了(修士の学位を持っている)していることを基礎資格としています。
また、現職の職員がランクアップのために取得するケースもあります。こちらは中学校・高等学校どちらの教員になる資格があります。
数学の先生になるために必要なことを、中学校と高等学校の場合に分けて解説中学校と高等学校の場合に分けて解説していきましょう。
まずは教員免許を取得するためにも、四年制大学または短期大学にある教育学部の数学教育専攻や理学部の数学科で必要な単位を取得します。
中学校の数学の先生になるためには、中学校教諭一種免許状(数学)を取得できる大学への進学が一般的です。
教育学部の数学教育専攻で幅広く教育について学んだり、理学部の数学科であれば数学そのものを深く学べます。
私立中学への就職を希望する場合は、中高一貫のケースが多いため高等学校の教員免許も取得しておいた方が、採用のチャンスが広がります。
また、数学は苦手意識を持つ生徒が多い傾向があるため、指導法や教材の研究も大切です。
高等学校の数学の先生になるには、どのようなことが必要なのでしょうか。
高等学校の数学教員になるには、教職課程が設置されている大学の教育学部で数学教育専攻または理学部の数学科専攻で必要単位を履修し、教員免許を取得するのが一般的です。
大学院を卒業して専修免許を取得するのも1つの方法です。
教育に関する知識を深めたいなら教育学部、専門知識を深めたいなら教職課程のある理学部数学科への進学がおすすめです。
公立高校の採用試験は、都道府県・指定都市の教育委員会などによって、筆記試験・面接・実技・模擬授業などの試験が行われます。
受験する場合は高等学校教諭一種免許状(数学)を取得済みもしくは取得見込み(大学4年生・大学院2年生など)であることが必須です。
私立高校の採用は各校によって実施時期が異なるケースもあります。求人のこまめなチェックや人材会社の利用をおすすめします。
その上で、各校の募集要項をよく確認し、自身にあっているかどうかをしっかりと見極めましょう。
数学の先生に向いている人の特徴にはどのようなものがあるでしょうか。
数学に限らず、先生になってからも勉強は続けなくてはなりません。
人に教えるには、まず自分が理解している必要があります。生徒からの質問に答えられなかったり、間違えて教えてしまうことがないように心構えましょう。
また、教科書の改訂や新しい解釈などの登場によって、教える内容が変わってしまうことも珍しくありません。
日頃から参考書をはじめ新書や論文などにも目を通して、知識を常にアップデートしていく必要があります。
数学は他の教科よりも論理的な教え方を求められています。生徒たちにわかりやすく問題の解き方を教えなくてはなりません。そのため、物事を要領よく教えられるスキルが必要
です。学校の先生は生徒をはじめ人と接することが多い仕事です。数学に苦手意識を持つ生徒とも付き合うためには、相手に合わせて話ができたり、相手が伝えようとすることを汲み取る力が豊かであることが求められます。
また数学は「分かる」「分からない」がはっきりしやすい教科です。生徒の立場になりどこ分からないか考えることも大切です。
社交的でなくても、このようなコミュニケーション能力に長けている人が数学の先生には向いています。
数学の先生に限らず、教員になると教科指導以外にクラス担任、進路指導、部活指導などの業務も行わなくてはなりません。
クラスの担任になると、クラス内の生徒とうまくコミュニケーションをとる必要があります。
教科指導以外に学校のある日は毎日教室で授業前と後にホームルームも行わなければなりません。
決められた時間内に配布物の配布・回収なども行いつつ必要事項の伝達など要領よく進行するスキルが必要です。
進路指導には保護者との面談などもあります。
最近は保護者も仕事などでなかなか予定がつかず、学校で決められた面談期間内に面談が行えないケースも増えており、日程を決めるだけでも大変です。
また、生徒と保護者がそれぞれ進路に対して違う考えを持っている場合、時にはその仲介役も担わなくてはなりません。
日々の授業の準備、提出物の添削などをこなしつつ、1年間の事業計画を学習指導要領に沿って組み立て、授業で使用するプリントや定期テスト問題の作成・添削などの業務があります。
部活動の顧問になった場合は、指導を行ったり、他校との交流や校外活動での引率など休日にも出勤します。
また、教員は学校の運営に関わる事務も担当する必要があります。学校行事の準備などにも多くの時間がさかれます。
数学の先生にとって仕事のやりがいを感じるときはどのような時でしょう。
先ほども述べましたが、数学は「分かる」「分からない」がはっきりしやすいため、好き嫌いも出やすい教科です。分からない問題が解けるようになったなど、生徒の変化も表れやすく、数学に興味をもってきていることを先生も実感できるでしょう。
中学・高校はまさに子どもから大人へ成長する時期です。さまざまな悩みや苦労を抱える生徒たちを理解し、サポートすることで、生徒たちの日々成長していく姿をすぐそばで見られることに、何よりもやりがいを感じられます。
この時期の生徒は、最終的に自発的に頑張ろうとしなければ大きく成長することは難しく、教員はそばでサポートし見守ることしかできません。
生徒が自発的に頑張ろうとしているときは、先生としてやりがいを感じるでしょう。
数学の先生になりたい人が今からでも始められることをまとめました。
大学生の間に学習塾で数学講師のアルバイトをすることは、中高生に直接教える経験を積む上でもおすすめです。
生徒たちの反応を直に感じられるいい機会となるでしょう。その経験を踏まえて、自分の教え方を試行錯誤していくのにも効果的です。
数学は正解が決まっていても、その答えに辿り着くまでにはさまざまな解き方がある教科です。
どうやったら効率的にわかりやすく問題を解けるのか。それを理解するには、自分で問題を解いていくのが1番効果的です。
教員になるためには、教員免許を取得したのち教員採用試験に合格しなくてはなりません。
また、教員免許の制度についても改正されることがありますから、教員に関する情報に対するアンテナは常にはっておくことをおすすめします。
数学の先生になるためには、大学の教育学科や理学部の教職課程を履修し、教員免許を取得して卒業後、教員採用試験に合格する必要があります。
その間も数学の問題の解き方や教材研究、情報収集などは欠かさず行いましょう。今からでもできることをコツコツ続けていくことが大切です。
今回解説したことも参考にして、数学の教員になる夢を叶えましょう。
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