先生になりたいと大学進学を考えている方は教育学部を選ぶか、その他の学部で教職課程を取るか迷うかもしれません。
教育学部にもその他の学部にも、メリットとデメリットがあります。選んだ学部によっては理想の道に進めないこともあるので、正しい理解が必要です。
「先生になりたい!」と漠然と考えている方もいるかと思いますが、教員免許には多くの種類があり、学校によって必要な免許が異なります。そのため、自分がどの学校の先生になりたいのか、なんの教科を教えたいのかを考え、大学を選ぶ必要があります。 以下は教員免許の一覧です。
幼稚園 | 幼稚園教諭一種免許状 |
幼稚園教諭二種免許状 | |
幼稚園教諭専修免許状 | |
小学校 | 小学校教諭一種免許状 |
小学校教諭二種免許状 | |
小学校教諭専修免許状 | |
中学校 | 中学校教諭一種免許状(教科) |
中学校教諭二種免許状(教科) | |
中学校教諭専修免許状(教科) | |
高等学校 | 高等学校教諭一種免許状(教科) |
高等学校教諭専修免許状(教科) | |
特別支援学校 | 特別支援学校一種免許状 |
特別支援学校二種免許状 | |
特別支援学校専修免許状 | |
養護教諭 | 養護教諭一種免許状 |
養護教諭二種免許状 | |
養護教諭専修免許状 |
免許の種類には二種、一種、専修の3種類があります。
二種免許は短期大学あるいは四年制大学を卒業、一種免許は四年制大学の教育学部や教育課程を卒業、専修免許は一種免許状を保有し、大学院で所定の単位を取得し、修了したものが取得することができます。
免許の名前は異なりますが、教員として働きに出た場合、基本的に仕事内容に差はありません。
中学校の教員免許の種類は3種類、高等学校の教員免許の種類は2種類となっていますが、実際には教科ごとに免許が異なるため、自分のなりたい教科の教員免許がとれる学部に進学する必要があります。
また、高校の教員免許は教科の中でも免許が異なる場合があります。例えば社会科は地理歴史と公民で別の免許です。大学や学部によっては、地理歴史の免許は取得したが、公民の免許は取得できないこともあります。注意しましょう。
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教員免許を取得したい場合は、教育学部や教職課程のある学部に入学する必要があります。
教育学部と教職課程で学べる内容や、教員免許を取得する流れを説明します。
教育学部とは、「教育学」を専門に学ぶ学部です。
教育学では、人間の成長・発達を身体的側面からだけでなく、心理的な側面からも学びます。また、教育の歴史や教育に関する社会的問題など、教育について多方面から学習する学問です。
教育学部は、大きく2つに分けられます。教育学を中心に学ぶ一般的な教育学部と、教員になるための勉強を主とする教員養成系学部です。
教員養成系学部は学校の先生になることを目的としているため、教員免許を取得するためのカリキュラムが組まれています。そのため、教員養成系学部を卒業すると教員免許の取得が可能です。
一方、一般的な教育学部では「教育とは」という問いを追求します。社会学や政治学、心理学など多角的に教育を学べる学部です。
学校によっては、教員免許の取得に必要な科目が必修科目に入っていないこともあるため、教員免許の取得をするためには、選択科目のなかから教員免許取得に必要な科目を選び、単位を取得する必要があります。
教員免許を取れるのは教育学部だけではありません。教職課程のある学部であれば、免許の取得は可能です。
教職課程とは教職免許を取得するために必要な科目を履修できるコースで、学部の必修科目とは別に用意されています。必要な単位を取得すれば、教員免許が授与されます。
ただし、小学校の教員免許は中学・高校よりも幅広い範囲の勉強が必要です。そのため、教育学部以外で小学校教員の教職課程がある学部は限られます。[注3]
先生になるには、教育学部とその他の学部、2種類の学部から選べます。どちらを選んでもメリットとデメリットがあるので、違いを理解して進路を決めることが重要です。
ここでは、教育学部とその他の学部との違いを5つ紹介します。
教育学部では、教員免許の取得に必要な科目が必修科目に含まれます。そのため、課程どおりに単位を取っていれば教員免許が授与されます。
一方で、その他の学部では学部の必修科目とは別に教職課程の単位も必要です。授業への出席や課題の提出、試験など教育学部よりも負担が増えることを覚えておきましょう。
教育学部は教員免許を取得する目的でカリキュラムが作られていることが多く、3年次から教育実習に行ける学校もあります。
その他の学部では一般的に4年次の5~6月に教育実習に行くため、就職活動の時期と重なってしまいます。教育実習に行って学校勤務が合っていないと感じた場合に、進路変更がしにくい点に注意が必要です。
教育学部は教育学を突き詰めたり、先生になるのに必要な学問を学ぶ学部です。教育学については専門的な知識を学べますが、教える教科を深く勉強するカリキュラムではない点を理解しておきましょう。
その他の学部では、教職課程の他にそれぞれの専門分野を学べます。とくに高校の先生を目指すなら、専門性を活かすことができるでしょう。
また、先生の仕事を辞したとしても、大学で学んだ専門分野を活かして別の道を進める強みもあります。
教育学部では卒業後は、先生や教育に携わる仕事に就くことが多いです。一般企業に就職する道もありますが、就職面接で「なぜ先生にならなかったのか?」といった質問を受けることも想定しなくてはいけません。
その他の学部では教員免許を活かして先生になるパターンと、専門分野を活かして一般企業などに就職するパターンが考えられます。どちらを選んでも、資格や専門分野を強みにできます。
先生として学校で働くには、教員採用試験に合格しなくてはいけません。教育学部では教員採用試験の対策として、カリキュラムがきちんと組まれていることがメリットです。
その他の学部では、教員採用試験の対策サポートの手厚い学校を選ぶとよいでしょう。
先生になるために必要な免許状を取得するには、教育学部か教育課程のある学部に行く必要があります。教育学部には、教育学を中心に学ぶ一般的な教育学部と、先生になることを目的とする教員養成系学部の2種類がある点に注意しましょう。
その他の学部では、それぞれの学部の必修科目だけでなく、教職課程の履修も必要です。単位の取得には努力が必要ですが、専門分野を活かせるため、とくに高校の先生を目指す場合に向いています。
子どもの発達や、心理などの知識がより必要となる小学校・中学校の先生になりたいなら教育学部。高校で各科目の面白さを伝えたいならその他の学部、というように、どんな先生になりたいのかで学部を決めるとよいでしょう。
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教員人材センター編集部
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